日本の食卓に欠かせない家庭料理「みそ汁」
みそ汁は、身近な食材で手軽に作ることができ栄養価も高いため、昔から親しまれてきた日本の家庭料理です。家庭ごとに定番の味や具材があり、あたたかいみそ汁を食べると、心も体もホッと落ち着きます。
日本には古くから「一汁一菜」という考え方があります。ごはんを中心に、汁ものとおかずは一品ずつで十分という意味で、この食べ方はみそ汁が誕生した鎌倉時代(12世紀末~14世紀中期)に日本に広まりました。日本で「一汁一菜」が体によいとされたのは、一汁のみそ汁でしっかり栄養が取れるからかもしれません。
みそは日本の伝統的な発酵食品で、とても消化がよく、植物性タンパク質、ビタミン、ミネラルなどたくさんの栄養が含まれています。「みそは医者いらず」ということわざもあるほど、体によい食品として知られています。みそに加えて、さまざまな具が入るみそ汁は、栄養面でバランスのとれた汁ものなのです。
日本一みその生産量が多い長野県
みそは大豆と麹、塩からつくられています。とてもシンプルな材料ですが、麹の原料は麦や豆、米など種類が豊富で、素材や配分によって全く違う味わいになります。甘いものから塩辛いもの、白っぽいものから赤茶色のものまで、味も色も地域によってさまざまです。
長野県のみそは「信州みそ」と呼ばれ、大豆と米麹からつくられています。地域によってさまざまなみそがありますが、日本国内で一番多く使われているのがこの「信州みそ」で、そのおいしさは全国的に知られています。
長野県には、大きなみそ蔵やみそ工場がたくさんあります。天然水でじっくり時間をかけて煮込んだり、100年以上受け継いだ木桶で仕込んだりと、それぞれのみその特徴や風味を出すための工夫をしながらみそをつくっています。見学や食事、みそづくり体験ができる工場やみそ蔵もあり、長野県の観光名所のひとつになっています。
長野県のみそ蔵は100軒以上。中には400年を超える伝統を持つみそ蔵もあります。
好きな具材でつくってみよう!
みそ汁をつくるときには、まず昆布やかつお節でだしをとります。そこに好きな具を入れて煮立たせ、最後にみそを溶いたら完成です。手早くつくりたいときには、粉末のだしを使ってもいいですし、だし入りのみそも便利です。
みその名産地である長野県では、地元でとれた具材をたっぷり入れた「具だくさんのみそ汁」がよく食べられています。旬の野菜や小麦粉を水でこねた団子、肉や魚など、たくさんの具材を入れてつくります。また、タケノコとサバの水煮缶を入れた「タケノコ汁」や、「レタスのみそ汁」なども、地元の食材を生かした長野県ならではのみそ汁です。
みそ汁は、どんな具材を入れてもおいしく簡単につくることができます。あなたの国のお店で日本のみそを見つけたら、ぜひみそ汁をつくってみてください。