「日本一のおんせん県」大分県の名物料理
大分県は「日本一のおんせん県」をキャッチフレーズにするほど、温泉の湧出量が日本で一番多い県です。別府や湯布院など、県内には4,000カ所以上の源泉があります。
また、温泉と並んで有名なのが、鶏料理の数々です。大分県には、「とり天」や「鶏めし」など、鶏を使った名物料理がたくさんあります。その中でも、とりわけ定番の一品となっているのが「からあげ」です。
大分県には100℃以上の蒸気が立ち上がる温泉や血の色のような赤い温泉など、迫力満点の温泉がたくさんあり、それらを観光する「地獄めぐり」が有名です。
からあげは、子どもから大人まで幅広く好まれている料理です。衣はカリッとしていて中はしっとり柔らかく、食べると思わず笑みがこぼれるおいしさです。大分県はからあげの名店が多く、全国的にも一目置かれています。
「からあげの聖地」中津市、「専門店発祥の地」宇佐市
大分県には養鶏場がたくさんあり、安くて新鮮な鶏肉を手に入れやすかったことから、鶏肉料理が発展したといわれています。日本初のからあげ専門店は、大分県宇佐市で生まれました。こだわりを持ってつくり上げたからあげは、そのおいしさが人気を呼び、隣の中津市でもからあげ専門店が増えていきます。
多くの店舗が競い合う中で、次第に県外にも評判が広がっていき、宇佐市は「からあげ専門店発祥の地」、中津市は「からあげの聖地」として日本全国に知られるようになりました。
材料やつくり方は店ごとに工夫があり、個性あふれる味わいが魅力です。味の決め手は、鶏肉の下味となる「秘伝のたれ」です。地元大分県産のしょうゆをベースに十数種類の調味料を合わせ、しょうが、玉ねぎ、りんごなどを使っている店もあれば、塩をベースに自家栽培のにんにくをたっぷり入れて秘伝のたれをつくっている店もあります。また、材料を合わせてから1カ月以上寝かせて熟成させるなど、完成までの工程にもさまざまな秘密が込められています。
中にはメニューはからあげのみというテイクアウト専門店もあり、その味を求めて毎日たくさんのお客さんが訪れます。
あげたてのからあげを店内で食べることができる専門店もあります。にんにくがきいたジューシーなからあげは白いごはんとの相性が抜群です。
全国から、「からあげ」ファンが集結!
日本では、平成22(2010)年から、全国で一番おいしいからあげ店を決める「からあげグランプリ®」が毎年開催されています。全国のからあげファンが投票を行い、参加店の中からグランプリ(最高金賞)が選ばれます。参加総数は全国900店舗以上にのぼりますが、大分県のからあげ専門店は上位に名前を連ね、中には最高金賞を連続で受賞している店もあります。
また、中津市では毎年秋に「からあげフェスティバル」が行われ、中津市と宇佐市のからあげ専門店が一堂に集います。「からあげの聖地で年に一度の味比べ!」をテーマに、たくさんの人が集まるイベントです。中津市で始まった「からあげフェスティバル」は、全国各地にも広がり、からあげファンを増やし続けています。