南国生まれのかき氷「白くま」
冷たいスイーツは世界各地にありますが、日本では古くから「かき氷」が親しまれています。薄く削った氷のふわふわな食感が特徴で、お祭りの屋台で売られるかき氷は日本の夏の風物詩となっています。昔ながらのかき氷は、イチゴ味やメロン味などのシロップをかけたシンプルなものですが、それを発展させ地元の名物となっているのが、鹿児島県の「白くま」です。
「桜島」火山は、鹿児島県のシンボルです。
鹿児島県は九州南部のとても暖かい地域で、「白くま」は70年以上にわたってこの地で愛され続けてきました。「白くま」のなりたちにはいろいろな説がありますが、鹿児島市内のお店が、かき氷にミルク風味のシロップを使いはじめたのがきっかけといわれています。見栄えをよくするためにそこにチェリーやレーズンをのせたところ、白くまの顔のように見えたので、この名前がつけられました。
遊び心いっぱいの「白くま」たち
きめ細やかなシャリシャリの氷に、たっぷりのミルクシロップをかけ、そこに果物や小豆などを盛りつければ「白くま」のできあがりです。かき氷用につくられたミルクシロップは飽きのこないおいしさで、ボリューム満点でもぺろりと食べられます。
鹿児島生まれのユニークなかき氷は、全国的にも有名になり、今では、フルーツがのったミルク風味のかき氷のことを、広く「白くま」と呼んでいます。
「白くま」は、鹿児島県内の多くの喫茶店やレストランで提供されています。くまの形になっているものや、山盛りのフルーツとプリンをのせたものなど、店を巡れば、遊び心いっぱいの個性豊かな「白くま」たちとの出会いが待っています。
色とりどりの果物が盛りだくさんの、南国感あふれる「白くま」。
くまの形をした「白くま」もあり、食べるのがもったいないほどのかわいさです。
アイス工場に行ってみよう!
「白くま」は、カップアイスなどの商品も豊富につくられています。パッケージには白くまが描かれていることが多いので、コンビニやスーパーなどで見つけたら、ぜひ手にとってみてください。
スプーンでシャリっとすくって口に運べば、ミルクシロップのコクと、イチゴやパインの甘酸っぱさの絶妙なハーモニーが広がります。小豆などのアクセントもあいまって、一度食べたら忘れられない味わいです。
鹿児島県にはアイス工場があり、カップアイスの「白くま」ができあがっていく様子を間近で見学できます。ひと口食べてファンになってしまったという方は、工場を訪ねてみてはいかがでしょうか。おいしさの秘密がわかるかもしれませんよ。