2023 NO.34
Menu街歩きにっぽん
自然と歴史の知恵がつまった発酵文化の郷を、
広大な湖のほとりに訪ねる。
日本列島のほぼ中央部に位置し、国内の湖で最大の面積を誇る琵琶湖。その東岸に広がる滋賀県長浜市は、豊かな自然環境に恵まれた風光明媚な町だ。市域を囲むように雄大な伊吹山系の山々がそびえ、町からは神が棲むとされる小さな島・竹生島が琵琶湖の湖上に浮かぶ神秘的な景色が眺められる。
16世紀に天下統一を成し遂げた武将である豊臣秀吉が築いた長浜城の城下町として栄えた長浜は、江戸時代(1603~1868)以降、京都と北陸地方を結ぶ北国街道の宿場町となり、さらに湖上交通の要衝という地の利を生かして商業の町として発展した。その面影は、古い蔵や家屋などを活用した店舗が集まる観光スポット「黒壁スクエア」に見ることができる。そこから東に1㎞ほど歩くと、千年近い歴史を持つ古社・長浜八幡宮の門前にたどり着く。毎年4月の例祭「長浜曳山祭」は、豪華絢爛な山車の巡行とともに、山車の上で子ども歌舞伎が演じられるユニークさでつとに名高い。