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2021 NO.31

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ニッポンみやげニッポンみやげ

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食卓を和ませる名脇役
豆皿

写真●新居明子

和食では、食事の途中で、味覚をいったんリセットしたり、口中をさっぱりさせたりする一品を献立に加えることがあり、これを「箸休め」と呼ぶ。主食のご飯やメインのおかずを補佐する副菜の中では、盛り付ける量が最も少なく添え物のような存在だが、献立に華を添えてくれる小さな立役者だ。そんな箸休めを盛り付けるのにぴったりなのが、6cm前後のサイズにつくられた「豆皿」である。煮豆や漬物や酢の物といったおかずや、ネギやショウガなどの薬味、果物やナッツ、何を載せても絵になる。花や扇、ひょうたんをかたどった豆皿を加えるだけで、食卓にユーモラスな間が生まれるから不思議。陶磁器のほかにガラスや漆製のものもあり、季節や行事で使い分けても楽しい。軽くて扱いやすく、使って重宝する豆皿は、たくさん揃えてコレクションしたい。

ネギや海苔などいくつもの薬味を少量ずつ盛り付けたい時、豆皿が大活躍する(写真提供=スコープ)