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街歩きにっぽん街歩きにっぽん

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温泉と史跡のある昔ながらの休息地
箱根

大庭園露天風呂が自慢の「元湯 森の湯」は日帰りで楽しめる温泉施設(写真提供=箱根小涌園ユネッサン)

箱根の伝統工芸といえば、何といっても200年の歴史を誇る寄木細工だ。色や材質の異なる木材を精巧に組み合わせて作られる幾何学模様は唯一無二の美しさで、木箱や器、アクセサリーと、おみやげを選ぶにも目移りがする。

木目や色味の異なる木々を組み合わせて作る「寄木細工」

寄木細工職人の露木清高さんは、伝統的な木箱だけではなく、器やアクセサリーなど現代的な作品の制作にも力を注ぐ

歩き回った後は、日本の伝統的カフェ「茶屋」でひとやすみ。箱根には、米などからつくられた飲料の甘酒を出す「甘酒茶屋」がある。江戸時代(1603 ~ 1868)から製法を一切変えずにつくられるという甘酒はやさしい味わいで、疲労回復にも効くとされる。そしてやっぱり、旅の疲れは名物の温泉で癒すとしよう。旅館に泊まり心ゆくまでお湯を堪能してもいいし、手軽な日帰り温泉施設に立ち寄ってもいい。

甘酒をつくり続けて約400年という「甘酒茶屋」。当代店主の山本聡さんは13代目にあたる

出発地点に戻れば、駅前に箱根湯本商店街の賑わいがある。名物のそばを食べたり、和菓子の名店でおみやげを求めたりするのもいいだろう。帰りの特急列車に乗ると、東京まではわずか90分。何度も訪れて、季節によってさまざまに違う箱根の表情を見つけてみよう。

「はつ花そば」の名物「せいろそば」は、自然薯を合わせただし汁でいただく(写真提供=はつ花そば)

箱根湯本の老舗和菓子店「ちもと」と看板商品「湯もち」

箱根エリア地図

①箱根神社②箱根関所③彫刻の森美術館④岡田美術館⑤甘酒茶屋⑥元湯 森の湯⑦はつ花そば⑧ちもと

●交通案内

新宿駅から箱根湯本駅までは、小田急電鉄の特急で約90分。

●問い合わせ

箱根町観光協会公式サイト「箱根全山」
https://www.hakone.or.jp/