2026 NO.39
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ニッポンみやげ
祝いの心をかたちにこめる
干菓子

左/おめでたい鯛や千鳥のほか、うさぎ、たぬきなど、愛らしい形の干菓子も多い(写真提供=京菓匠 甘春堂)
右/さくらやあやめ、水の流れを表した縁起模様などをかたどった干菓子が詰め込まれている(写真提供=鍵善良房)
今のように甘味が身近になる以前、砂糖は高価で日持ちのする貴重品として祝いの席に用いられてきた。その砂糖を彩りと造形によって美しく仕上げ、贈答用の菓子として仕立てたものが干菓子である。
干菓子には、砂糖だけを材料とするものや、米や豆、小麦などの粉や水あめを混ぜてつくられるものがある。火を使い焼き上げるのではなく、木型で押し固めてかたちをつくり上げる点が共適している。
干菓子の造形の良し悪しは、木型の出来に大きく左右される。山桜などの木にノミや彫刻刀で彫り込まれた木型は、一つひとつが手仕事の結晶だ。一方、材料を調合し、彩りを与え、湿気などを見極めながら、型への詰め方や外し方を調整する菓子職人の技があってこそ、美しいかたちが立ち上がる。
現代では気軽な贈り物に使われることも多く、祝いを象徴する鯛や鶴だけでなく自然の事物や伝統文様など多彩なデザインがある。幸運を願ったり、季節を感じたり。小さな菓子に込められた意味に思いをはせながら、やさしい甘さを味わってみよう。