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2026 NO.39

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祝いの郷土料理

日本では、古来人生の節目や年中行事などの特別な日には、その土地ならではの料理が用意されてきた。
身近な食材や調理の工夫に祝意を託し、かたちや味に土地の文化を映す。
人びとが集い、分かち合うことで意味をもつ、日本各地の祝いの郷土料理を見ていこう。

1 北海道 2 秋田 3 茨城 4 石川 5 静岡 6 愛知 7 京都 8 奈良 9 山口 10 佐賀

①北海道
サケのチャンチャン焼き

特産のサケとキャベツ、タマネギ、キノコなどの野菜にバターを合わせ、味噌で仕上げる豪快な鉄板料理。漁師町で生まれ、獲れたてのサケを手早く調理する方法として親しまれてきた。祭りや地域・親族の集まりでは、大きな鉄板を囲んでにぎやかに食べる(写真=PIXTA)

②秋田
なすの花寿司

輪切りにした大ぶりのなすを漬け、炊いたもち米、食用の菊の花、唐辛子を重ねた伝統料理。黄、赤、紫の色合いが華やかで、正月や祝い事には欠かせない。噛みしめれば、漬けたなすの酸味ともち米の甘み、唐辛子の辛味、菊の花の爽やかな香りが口いっぱいに広がる(写真=Aflo)

③茨城
みつめのぼたもち

もち米とうるち米を重箱に敷き詰め、その上に甘い小豆の餡(あん)や炒った大豆の粉をのせた郷土菓子。出産直後の母親に、子育ての栄養をつけさせようと、子どもが生まれた3日後にふるまわれたのがはじまりとされ、出産の祝いとして近所の人びとに配ることもある(写真=農林水産省ウェブサイト)

④石川
押し寿司

木型などに酢飯と魚介類を重ねて詰め、押し固めた「押し寿司」は日本各地でつくられているが、石川県の金沢市では、木型に詰めて一晩寝かせてつくられる。食用の色素で染めた海藻の紺のりが美しく、正月や祝い事、祭りなどでふるまわれる(写真=農林水産省ウェブサイト)

⑤静岡
鯖の箱寿司

ゆでてほぐした鯖、ニンジンやシイタケなどの煮物、桜えび、魚のすり身を蒸してつくるかまぼこなど、さまざまな具材を木箱に詰めた酢飯の上にのせた箱寿司。鮮やかな色合いも相まって、古くから特別な日に食べるご馳走として親しまれている(写真=農林水産省ウェブサイト)

⑥愛知
おしもん

タイや梅など、おめでたいとされる意匠が浮かびあがる郷土菓子。熱湯で練った米粉を木型に入れて成型し、蒸しあげた後に色を付けるのが主なつくり方。3月の桃の節句のお供え物で、食べるときは焼いて砂糖で甘くした醤油につける(写真=愛知県)

⑦京都
白味噌雑煮

雑煮は地域ごとに姿を変えるが、京都では白味噌仕立てが定番だ。白味噌はまろやかな甘味があり、かつて宮中の節会など特別な日の料理に用いられてきた。丸餅と里芋に京野菜の金時人参を添え、年の始まりに供される一椀である(写真=PIXTA)

⑧奈良
柿なます

なますは正月に食される料理のひとつで、ダイコンやニンジンを細切りにし、酢で和えたもの。奈良県ではなますに特産の柿を加える。くりぬいた柿を器に見立てて盛ることもあり、年の始まりにふさわしい一皿として正月の食卓を飾ってきた(写真=PIXTA)

⑨山口
柏椀

鶏肉を使った汁物で、「かしわ」は鶏肉のことを指す。ゆでた鶏肉、シイタケ、シュンギクなどの野菜、小麦粉からつくられる色付けした麩、ゆでた卵などを椀に入れ、冷ましただし汁を注ぐ。見た目の華やかさから、冠婚葬祭などのおもてなしの料理として古くから用いられてきた(写真=萩元気の会)

⑩佐賀
須古寿司

「もろふた」と呼ばれる木箱に酢飯を詰め、タケノコや漬物、甘辛く煮た野菜、そして有明海の名産品であるムツゴロウ(ハゼ科の魚)のかば焼きをのせた押し寿司。今も祭りやお祝い事では欠かせない大切に伝えられてきた郷士料理(写真=農林水産省ウェブサイト)