
2023 NO.35
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ニッポンみやげ
装いに華やぎを添える
かんざし
写真提供=かづら清
真珠をあしらった金属工芸の草花(1・3)、絹でつくられた花々で彩られたもの(2)、ヘアピンのように気軽に挿したいポップな紫陽花(4)、漆と金で鳥を描いた格調高い一品(5)、絹で一輪の桜をかたどったもの(6)など、素材もデザインもさまざまなかんざし。7/かんざしに下がる飾りが歩くたびにゆれ、装う人の心をときめかせる
かんざしは、日本の伝統的な女性用髪飾りのひとつ。現代でも、日本舞踊や盆踊りといった機会で和装をする際は、髪が衿にかからないようアップやお団子の髪型にし、最後にかんざしを挿すことが多い。
髪に挿す装身具は、すでに8世紀頃に存在したといわれるが、その後、女性の髪型は下げ髪が主流となり、かんざし不要の時代が長く続いた。一般に広く流行したのは、江戸時代(1603 〜1868)になってから。髪を束ねる結び髪が女性の間で流行し、そこに挿す飾りとしてかんざしが欠かせないものになった。金属や石、木、布、紙などを使い、手の込んだ細工で花や鳥をかたどった多彩なデザインのかんざしが次々と生まれた。
現代ではプラスチックやガラスでできた安価な製品もあり、特別な日だけでなく、普段使いの髪飾りとして、気軽にかんざしを挿してみるのもいいだろう。