2023 NO.35
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花や動物、鬼や神様……。祭りのひととき、日本人はさまざまなものに姿を変えて踊る。
様式は地域により異なるが、鹿をかたどった頭をかぶり、白紙で飾った竹の棒「ササラ」を頭上に高く掲げ、太鼓を叩き踊るものが代表的。ササラが地面につくほど頭を振り、ステップを踏んで激しく踊る姿は迫力がある(写真=photolibrary)
ワラで編んだ「ケンダイ」と呼ばれる装束をまとい、神の使いである加勢鳥となった若者たちが「カッカッカー」と声を上げ踊りながら市中を練り歩く。街の人は火の用心や商売繁盛を祈り、手桶から勢いよく冷水を浴びせかける(写真=山形県上山市)
蔵造りの街並みが残る埼玉県川越市で秋に行われる祭り。街を練り歩く屋台「山車」の上で、キツネ(写真)や獅子などの仮面を付けた踊り手が、笛や太鼓の囃子にあわせて舞う(写真=photolibrary)
芸能が盛んな新潟県佐渡島に伝わる鬼の舞。神社や人家で舞を捧げ、五穀豊穣や家内安全を祈る。太鼓が刻むリズムと能の要素を取り入れた柔らかな舞はエンターテインメント性に富み、約120カ所の集落で異なる特徴を探すのも楽しい(写真=アマナイメージズ)
獅子舞を専門とする「伊勢大神楽講社」の各団体が、全国を巡業したのち、年末、本拠地の増田神社(三重県桑名市)に勢ぞろいして競演する。獅子頭をつけて肩に乗り傘を回すといったアクロバティックな演目もあり、観る者を圧倒する(写真=桑名市観光協会)
仏面と装束を身につけ、仏に扮した舞人が、雅楽の調べにあわせ優雅な所作で舞い踊る。毎年5月8日に京都府舞鶴市の松尾寺で行われる
造花などで美しく飾りたてた「花笠」を使う郷土芸能は多数あるが、広島県北広島町の祭礼で使う花笠は、約1.5mの竹ひごに和紙の花を長く垂らした、とりわけ華やかなもの。笠をかぶり踊り歩く姿は優雅そのもの(写真=photolibrary)
清らかな白い羽を持つサギは、古来おめでたい鳥とされてきた。島根県津和野町の弥栄(やさか)神社では、サギをかたどった頭と木製の羽をつけ雌雄2羽に扮した舞い手が、笛や太鼓にあわせて羽を広げたりすくめたりする動きを繰り返して舞う(写真=photolibrary)
木や釘を使わず、手漉き和紙と糊だけでつくる飾り物「山鹿灯籠」は、熊本県山鹿市の伝統工芸品。毎夏、約千人の女性らが金色に輝く山鹿灯籠を頭に掲げ、民謡「よへほ節」にあわせて踊る様は圧巻(写真=PIXTA)
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