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2020 NO.29

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美しい織物でできた“一枚の器”
花器

花を飾り変わりゆく季節を感じる。そんな楽しみをいつでも気軽に味わえるのが、掛け軸から生まれた“一枚の花器”だ。専用の花器がなくても、家にある空き瓶などにかぶせるだけで、華やかな花器として使える優れものである。
掛け軸とは、書や絵画などの作品の周囲に美しい布などを貼り合わせ、壁掛け用などの装飾品に仕立てたものだ。このときに使われる和文様の生地のことを表装裂といい、この織物が花器に使われている。雲や水などの自然の形態を図案化したもの、梅や松などの植物を題材にしたものなどさまざまなものがあり、豪華な金糸や多彩な伝統色に染められた糸が織りなすこの生地は、インテリアとしても魅力的なアイテムといえそうだ。

協力:鳥居株式会社、イガラシデザインスタジオ

空き瓶などに水を入れて、“花器”をかぶせる

花を挿せば出来上がり

おめでたいことがおきる兆しといわれる雲をモチーフにした表装裂