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2020 NO.29

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日本の心を結ぶ

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さまざまな想いが込められた
日本の「結び」

写真●ピクスタ、ゲッティイメージズ

祈りを「結ぶ」

天ノ磐盾(あまのいわたて)という険しい崖の上に、聖なる場所を示すしるしである注連縄で囲われたゴトビキ岩がある。この地(熊野)の神様が、最初に降臨された場所と言い伝えられている。神倉神社(熊野速玉大社)/和歌山県

稲から大切に育てた膨大な量の藁を結び、つくりあげられた巨大な注連縄。 出雲大社/島根県

注連縄で結ばれた二つの岩が、寄り添う夫婦のように見える夫婦岩は、夫婦や家族円満の象徴。 二見興玉神社/三重県

つながりを「結ぶ」

新郎と新婦、両家の新しいつながりを結ぶ結婚式。
花嫁の胸元に見える紐は、固く結べてほどけない「あわじ結び」

景色を「結ぶ」

竹の節をバランスよく並べ、周囲の景色との調和を考えながら、黒い縄で結んでいく。竹の径/京都府

装う心を「結ぶ」

8世紀ごろに装飾品として発展した組紐は、のちに数十kgもある武具を支える頑丈な紐として活用された

贈る心を「結ぶ」

水引とよばれる紐を使い、縁起が良いとされる梅の花の形に結んだ祝儀包み。津田水引折型/石川県