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2022 NO.33

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日本発祥!美しくて使いやすい
ガラスペン

写真●北鄕 仁

左/ペン先の溝の数は8~12本
中/ペン先にインクをつけると、毛細管現象によりインクが溝に吸い上げられる
右/1度インクをつけると、はがき1枚分ほどを書き続けることができる

愛用のペンとインクで、日記や手紙を書く。デジタル機器で文字を書くことが当たり前となっている今、あえて「手書き」を楽しむ人が増えている。そんな特別な時間に彩りを与えてくれるのが、ガラスペンだ。

ガラス製のペン先にインクをつけながら書くこの文具は、美しいだけでなく、とても実用的。書き心地が滑らかで、インク持ちもいい。ペン先を水ですすいで拭くだけで簡単にインクを変えられるので、気分や用途に合わせてさまざまな色を楽しめる。ペン先の溝にインクが吸い上げられ、鮮やかな色に染まっていく様が見られるところも、ガラスペンの醍醐味といえるだろう。

20世紀初頭に風鈴職人が考案したとされるガラスペン。当初はペン先だけがガラス製だったが、やがて軸もすべてガラスでつくられるようになり、芸術作品のように美麗な文具となった。ひとつひとつが職人の手づくりなので、同じ形状や色合いのものは存在しない。ガラスペンとの出会いは一期一会。見て楽しく、握っているだけでうれしくなる1本を見つけたい。

協力:ガラス工房スタジオ嘉硝