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2024 NO.36

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にっぽん地図めぐりにっぽん地図めぐり

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ご当地文具

工芸品として古くから土地に受け継がれてきたもの、
名産品や景勝地をイメージしてデザインされたもの。
地域ならではの特徴を色濃く映した
文具に誘われる、誌上旅行へようこそ。

1 青森 2 東京 3 石川 4 滋賀 5 京都 6 奈良 7 広島 8 高知 9 長崎

①青森
りんごのインク壺とガラスペン

青森県の名物、リンゴをかたどったインク壺(左)と、先端に小さなリンゴがついたガラスペン(右)。ガラスペンは、右側の透明なペン先からインクを吸い上げて書く日本発祥の筆記具(写真=津軽びいどろ)

②東京
巻紙

古来、日本では手紙や文書は和紙の巻紙に毛筆で書かれることが多かった。写真は、五色の和紙を貼り合わせたもので、ペンでもにじみにくい処理がしてある。200年以上、和紙と紙製品を商ってきた老舗の人気商品(写真=榛原「五雲箋」)

③石川
金箔を貼った万年筆

石川県金沢市の金箔工芸と国内屈指の万年筆ブランドがコラボレーション。金箔などで花鳥風月を描く技法が活きる(写真=箔一、プラチナ万年筆「金沢箔万年筆」)

④滋賀
琵琶湖を描く定規

日本最大の湖・琵琶湖が、約100万分の1縮尺で描ける定規。湖に生息する生き物や周辺の観光スポットである城などのシルエットもあり、旅の記録を楽しくつけるのに役立つ(写真=コクヨ工業滋賀「びわこテンプレート」)

⑤京都
御朱印帳

日本の神社仏閣では、参拝の証に寺社名や日付を墨書した「御朱印」を授かれる。和紙を綴じた御朱印帳を備えたところも多く、これを持って何カ所も巡る観光客も多い。写真は着物を模した御朱印帳(写真=谷口松雄堂)

⑥奈良
墨のオブジェ

古代に都が置かれた奈良県は、古くから墨づくりの中心地だった。7世紀頃に流行した仮面舞踏劇のお面を模した優美な墨は、摺らずにとっておきたい(写真=錦光園「香り墨Asuka」)

⑦広島
毛筆

人口の約1割が筆作りに携わる筆の町・広島県熊野町の筆は、職人が手作りするその毛先が繊細で、正確な線や細部を自在に描けると評判が高い。文具としてのみならず、その技術を活かした化粧筆は海外でも人気(写真=筆の里工房)

⑧高知
和綴じノート

一針一針、糸でかがって綴じる伝統的製法で作られたノート。見た目に美しいだけでなく、化学のりを使わないため経年劣化もしにくい。土佐和紙の産地に残る貴重な製本技術(写真=高知製本)

⑨長崎
ご当地インク

長崎県の名産や景色をイメージした色とりどりのインクはお土産としても最適。写真は、濃い緑と水面の対称が見事な九十九島の景色を表現したインク(写真=石丸文行堂 長崎美景インク「九十九島アイランドグリーン」)