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2024 NO.36

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日本で「書く」を究める

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日本で進化した文具の歴史

多種多様なペンにノートやえんぴつ、万年筆……。
「書く」を究めようとするメーカーや職人たちの探求によって生み出され、
進化し、世界標準となった文具たち。

ボールペン

水性ボールペン

1964年、オートが世界初の水性ボールペン「W」を発売すると、油性ボールペンにない滑らかな書き心地が国内外で評判となった。最新作「CR01」は独自設計により、キャップがなくてもペン先が乾かない(写真=オート)
(下)世界初の水性ボールペン「W」

ボールサイン

世界で初めてボールペンに水性顔料ゲルインクを使用。水性インクにゲル化剤を加え、スムーズな書き味と、耐水性・耐光性を両立させた。沈殿しないゼリー状のインクには種々の顔料が使えるようになり、ボールペンの多色化を進めた(写真=サクラクレパス)

フリクションボールノック

文具界に大きな変革をもたらした、消せるボールペン。ペンについた専用ラバーでこすると、摩擦熱に反応して筆跡が透明化するという画期的なしくみ(写真=パイロットコーポレーション)

ジェットストリームスタンダード

超低粘度油性インクを搭載することで、摩擦が減り、なめらかな書き心地と濃い描線を実現。2006年の発売開始以降、低粘度油性ボールペンの世界的ブームを牽引(写真=三菱鉛筆)

シャープペンシル

クルトガ

書くたびに芯が回転して均一に摩耗するため、細く書き続けられるシャープペンシル。2008年の発売以降、シリーズ累計販売本数1億本を突破(写真=三菱鉛筆)

ハイポリマー芯

合成樹脂に熱を加えると炭化し黒鉛となじんで固くなる性質を活かすことで筆圧に耐える細い芯が実現し、1960年に0.9mm、62年に0.7mmと0.5mmを発売。(写真=ぺんてる)

サインペン・筆ペン

アートブラッシュ

日本では、贈答品に名入れをしたり手紙を書いたりする時に毛筆をよく使うが、1970年代、ペンのように手軽に筆文字を綴れる筆ペンの登場は画期的だった。現在は多色化が進み、海外ではアート用の筆としても人気。カラーラインナップは全24色。色を混ぜれば表現の幅も広がる(写真=ぺんてる)

サインペン

1963年に世界初の中綿式水性ペンとして誕生。アクリル繊維を使ったペン先が、ペンと筆のよさを兼ね備えた書き味を実現。当時、ジョンソン大統領の手に渡って全米で話題となりNASAの宇宙船に持ち込まれた。世界中で愛用される水性ペンのベストセラー(写真=ぺんてる)

マークタス

先端を回転させ、1本で2色を使い分けられるペン。強調したい部分や完了したタスクを色別にマークし、スケジュール管理に役立てたりするのに便利(写真=コクヨ)

クリックブライト

吸湿性の高い成分を配合したインクが空気中の水分を集めるから、キャップがなくてもインクが乾かない、ノック式蛍光ペン(写真=ゼブラ)