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2024 NO.36

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日本で「書く」を究める

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日本で進化した文具の歴史

蒔絵の技法を施した万年筆。100年の時を経て受け継がれる(写真=パイロットコーポレーション)

万年筆

長刀研ぎ万年筆

日本の多くの文具メーカーは万年筆のオリジナルペン先をつくる技術を持つ。セーラー万年筆の長刀研ぎもそのひとつで、ペン先の端に通常より大きいペンポイントをつけ、長刀の刃のように長く、滑らかな角度に研ぎ出す。それにより、ペンを寝かせると太く、立てると細く書け、漢字の線を美しく筆記できる(写真=セーラー万年筆)

カスタムURUSHI

およそ100年前に、エボナイトに漆を塗った万年筆が誕生。1925年には、そこに金粉などで絵を描く蒔絵の万年筆(下)を発売した。近年は、蒔絵万年筆だけでなく赤と黒の漆を塗り重ねて鏡面のような艶をまとわせた最高級モデルも人気(上。写真=パイロットコーポレーション)
(下)1925年当時の蒔絵万年筆

えんぴつ

ホクサイン

特殊製法の芯は一般的な鉛筆の約2倍の強度があり、3Bや4Bといった濃い芯でも強い筆圧で書ける。黒鉛が飛び散らず手が汚れにくいのでデッサンや絵画に最適。軸の色は浮世絵師・葛飾北斎をイメージした「北斎ブルー」(写真=クツワ)

ハイユニ アートセット

10Hから10Bまで、全22硬度の書き味を楽しめる鉛筆セット。不純物の少ない黒鉛と粘土を均一に混ぜた芯の書き味は、濃くなめらか。デッサンなどの画材として定評がある(写真=三菱鉛筆)

ノート

ジャポニカ学習帳

1970年の発売以来、日本の子どもたちに愛されてきた。学年や教科によって、また作文や漢字練習といった用途によって、方眼や罫線の種類とサイズが細分化された約50種が揃う(写真=ショウワノート)

キャンパスノート

学生をはじめ広い世代にファンが多いノートの定番。罫は方眼罫や縦罫、ドット入りなど用途で細分化され、罫線の幅にも5~10mmのサイズ展開がある。中紙に管理された森林のパルプでつくった「森林認証紙」を使うなど環境への配慮も(写真=コクヨ)