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2025 NO.38

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日本人と宇宙

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日本で宇宙を感じる

太陽や月、星の光を崇め、風景や美術のなかにその美を写してきた日本人。壮大な宇宙は、自然との調和のなかで表現されてきた。

富士山に降り注ぐ流星群(写真=PIXTA)

北海道初山別村の金比羅神社の上空に広がる満天の夜空(写真=PIXTA)

三重県伊勢市の二見浦にある夫婦岩の間から昇る日の出(写真=Adobe Stock)

月と太陽を配し、秋草とともに描く。古くから画題として好まれた、江戸(東京)西部の武蔵野の原野を表現した作品のひとつ。「日月秋草図屏風」(所蔵=藤田美術館)

12~13世紀頃に作られたとされる、世界でもわずか3件しか現存しない国宝「曜変天目茶碗」。釉薬が変化して黒いうつわの中で星のような斑紋が生じるさまは宇宙に見立てられ、日本の権力者らがこぞって手に入れようとした(所蔵=藤田美術館)