伝統を継承しながら、
今の暮らしにもすんなりとなじむ。
自然のあたたかみとデザイン性を兼ね備えた、
モダンな木工品たち。
木のドレープから放たれる柔らかな光

透明なポリプロピレンにサクラ材を貼った板を湾曲させ、複雑な造形を表現した照明器具。ドレープのすきまから放たれた光は、天井や壁に花のような陰影を映し出す(写真提供=照明作家・谷俊幸)
流線形の世界的名作チェア
立体的に成形された同じ形の合板を左右に2枚合わせ、蝶のようなフォルムを形づくった「バタフライスツール」。デザイナー・柳宗理による斬新でシンプルな造形は世界で評価され、ルーブル美術館などに収められている(写真提供=天童木工)
驚きの製法でつくられたシックな木工品
世界遺産に登録されたブナの原生林・白神山地を擁する青森が生んだプロダクトブランド「BUNACO」。テープ状に加工したブナを巻き付けて成形し、うつわをはじめ多様な製品を展開している(写真提供=BUNACO)
木馬にもなる椅子
座りごこちと安全性を兼ね備えた子ども用の椅子。座面の高さは成長に合わせて調節ができ、大人も使える設計になっている。ひっくり返すと木馬として遊ぶこともできる(写真提供=株式会社Sdi)
木から流れる音楽を聴く
岐阜・飛騨高山に受け継がれた木工の伝統が、ヘッドフォンとして現代によみがえった。硬く音の反響がよいカエデを主として、耳あてには肌触りのよいヒノキが使われ、金具を用いない細工も見事(写真提供=ノクターレ)
古くて新しい日本の弁当箱
ヒノキやスギの板を円形に曲げ、サクラやカバの樹皮で綴じ合わせる伝統工芸「曲げわっぱ」の弁当箱。軽くて保湿力が高く、食材も傷みにくい。木目を活かしたデザインとも相まって、時代を超えて愛される(写真= PIXTA)