2019 NO.28

東京を食べつくす!

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こんなにある!東京名産

都心はおもにビジネス街だが、「東京都」には、実は農産物や水産物の産地としての顔もある。
江戸期(17~19世紀)に生まれた伝統野菜や、東京の南・太平洋に広がる島嶼部で採れる果物など、多彩な顔触れの東京名産を紹介しよう。

写真● 東京都農林水産振興財団、PIXTA

奥多摩町 練馬区 新宿区 荒川区 江戸川区 東京湾 東京湾内の沿岸 小笠原諸島 伊豆諸島 あきる野市、日野市など

①奥多摩ワサビ
(産地:奥多摩町)

日本を代表する薬味。刺激的な辛味を活かして、刺身や寿司、そばなどの薬味に使う。清流に恵まれた奥多摩は古くからワサビの産地として知られる。

②練馬ダイコン
(産地:練馬区)

煮物や漬け物など広く使われる根菜。練馬ダイコンは白い根の部分が80cmから1mに及び、他品種よりも大ぶりなのが特徴。

②④早稲田ミョウガ
(産地:新宿区、練馬区)

シャキッとした食感とさわやかな香りが特徴の薬味野菜。かつての早稲田村で多く栽培されたことからこの名がついた。

③谷中ショウガ
(産地:荒川区)

江戸時代に栽培が始まった葉ショウガで、やわらかい根茎の部分を、味噌などとともに生で食べることが多い。香りがさわやかでスジがなく、夏の風物詩として愛されている。

⑤小松菜
(産地:江戸川区)

茹でたり炒めたりして使う葉野菜で、ビタミンやカロテン、カルシウムなど多くの栄養素が含まれる。江戸幕府の将軍が、小松川村(現在の江戸川区)で食べた青菜を気に入り、「小松菜」と命名したといわれる。

⑥アナゴ
(産地:東京湾)

ウナギによく似た細長い体形の魚で、今も東京湾各地が漁場となっている。天ぷらや煮物、寿司ネタなど、さまざまな調理法で食される。

⑦アサリ
(産地:東京湾内の沿岸)

約4cm大の二枚貝で、高血圧に効くタウリンを豊富に含む。東京湾沿岸でアサリを獲る潮干狩りは、江戸期の庶民の一大レジャーだった。

⑧⑨パッションフルーツ
(産地:小笠原村、八丈町など)

甘酢っぱい香りを活かして、ジャムなどに幅広く加工されている。一年を通じ温暖な気候の小笠原村は、日本でも有数の産地として知られる。

⑨アシタバ
(産地:八丈町、三宅村など)

上/東京の島嶼地域で多く収穫される葉野菜。ビタミン、カロテン、鉄分などが豊富で、薬草としても用いられる。
下/八丈島のアシタバ畑

⑩トマト
(産地:あきる野市、日野市など)

生食が多い日本では、酸味が少なく甘い品種が主流。糖度が高く、旨味も濃い高級なブランドトマトの産地のひとつとして知られる。