大衆的な飲食店のショーウインドウに置かれる食品サンプルは、合成樹脂で本物そっくりに模してつくる料理の模型で、1920年代に誕生したといわれる。その本物らしさの秘訣は、一つひとつ丁寧につくりあげる職人技にある。メニューに応じて、実物の料理から型取りし、筆やエアブラシで彩色し、オーブンで焼成するなど、複雑で多様な工程を経て、ようやく一品が完成に至るのだ。

最近では、生活雑貨にアレンジしたものも売り出され、食品サンプルがぐっと身近になっている。エビフライのUSＢメモリや、握り寿司のイヤリング、ラーメンでできたスマートフォン立て、ピザの定規･･････。小さくても、本物らしさは十分。ユーモアと実用性を兼ね備えた食品サンプルを贈れば、もらった人もきっと笑顔になるはずだ。