2019 NO.28

東京を食べつくす!

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東京生まれの絶品パン

19世紀に日本にパンの文化が広まって以来、欧米ではあまり見られない独自のパンが東京で生まれてきた。現在も姿かたちはそのままに、味はよりおいしく進化して日本に根づいている。懐かしくて新しい、東京パンを召し上がれ。

撮影● 栗原 論

あんパン
(1874年誕生。銀座木村屋)

小豆を煮て練り上げられたあんが生地に包まれている。酒種酵母を使ったパン生地は、酸味があってほの甘く、柔らかい。

コロッケパン
(1927年頃誕生。チョウシ屋)

すりつぶしたジャガイモに挽肉とタマネギを加え、衣をつけて揚げたコロッケがはさんである。

焼きそばパン
(1950年代誕生。マルジュー)

麺を肉や野菜と炒めた、ソース味の「焼きそば」がコッペパンにはさんである。1950年代に東京の下町で販売されたのが元祖といわれる。紡錘形のコッペパンも1919年に誕生した日本独自のパン。

フルーツサンドイッチ
(日本橋 千疋屋総本店)

イチゴやパパイヤなどの果物と甘さ控えめのホイップクリームを使用したサンドイッチ。

ジャムパン
(1900年誕生。銀座木村屋)

イチゴジャムが多く使われるが、元祖は杏ジャム。甘酸っぱさがパン生地によく合う。

かめパン
(1958年誕生。銀座木村屋)

マンガやアニメのキャラクターをかたどったパンは今も大人気だが、元祖は動物の亀。ほかに「かにパン」や「たこパン」など、種類も豊富だ。

カレーパン
(1920年代誕生。カトレア)

生地でカレーを包み、衣をつけて表面をカリッと揚げたボリュームたっぷりのパン。カレーは、辛さ控えめのやさしい味わい。