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2019 NO.28
街歩きにっぽん
ショッピングからグルメ、芸術鑑賞まで、多彩な魅力が共存する上野。
繁華街の喧騒と芸術文化の静けさが隣り合う街をすみずみまで散策してみよう。
写真● 栗原 論、アフロ、PIXTA、shutterstock
東京駅からJR山手線に乗ってたった10分。上野は、国内屈指の繁華街として栄える「アメ横」と、文化施設が集まる芸術文化エリア「上野公園」が隣り合う街。昔も今も多くの人を惹きつけてやまない上野の魅力は、ふたつの異なる顔をあわせ持つところにある。
アメ横は、第2次世界大戦後、ここに青空市場が立ったことに始まる。現在では生鮮食料品、日用雑貨、服飾、飲食店などさまざまな店舗が軒を連ね、中心部だけでも約400店、周辺部を含めれば約1200店を数えるといわれる。
アメ横散策は、好奇心の赴くままに巡るのが面白い。メインストリートには、国内外約8000種類の菓子が並ぶ「二木の菓子」や、和食のだしに欠かせない上質な鰹節を揃える「伊勢音」などの老舗が並ぶ。また、食のプロも通う生鮮食品店の「吉池」もほど近く、界隈にあふれる商売人のかけ声は活気があり、訪れる者の胸を弾ませる。
高架下の路地に入れば、化粧品、スニーカー、時計、文房具などを扱う店舗が所狭しと並ぶ。隠れた人気店も多く、たとえば鞄や革小物に定評のあるレザーブランド「万双」もこの一角にある。電車の走る音を頭上に聞きながらお店をのぞくのが楽しい。