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2019 NO.25
街歩きにっぽん
東日本の本州東北部の地域である東北で唯一の現存天守(城の中心に築かれた物見櫓)である弘前城天守。
北国で雪のイメージの強い弘前市だが、季節を通してとても見どころが多い。特に弘前城は四季折々の美しさをみせてくれる。
江戸時代(17世紀)に築城された弘前城は、現存する天守や櫓などが国の重要文化財に、城跡は国の史跡に指定されており、現在は弘前公園として一般開放されている。ここで開催される弘前さくらまつりは毎年大変な賑わいをみせ、2,600本の桜が咲き誇る様子は桜の名所としても選定されるほどだ。秋は紅葉に彩られ、冬は雪化粧を施されて照明に浮かび上がる弘前城を観ることができる。
他にも、「お城とさくらとりんごのまち」としてPRされている弘前市には、りんごの産地らしい風景を感じられるスポットがある。りんご畑を車で颯爽とくぐり抜けることができるアップルロードは、その彼方に見える津軽岩木山とともに楽しみたい風景の一つだ。カーブが69か所も続くその山とりんごの木々の饗宴はこの土地ならではといえるだろう。りんごを味わってみたいなら、岩木山観光りんご園もおすすめだ。ここでは、りんご狩りをして食べることもできる。
弘前城からも望める岩木山の麓にはりんご畑が広がる。
また、市内には、弘前城のほか昔の面影を脈々と伝える神社仏閣や古い町並み、明治から大正期(17世紀後半~20世紀前半)にかけて建てられた洋風建築なども数多く残されている。まさに文化財建造物の宝庫である。なかには藤田記念庭園洋館のように、館内で食事を楽しめるところもある。この洋館では庭園の美しい景色を眺めながら弘前自慢のアップルパイを数種類も味わうことができる。
軽くティータイムを過ごした後は、津軽地方の郷土料理を食べておきたいところだ。有名なところでは、「けの汁」「貝焼き味噌」などがある。どれも長い冬を乗り切るために短期間に採れる食べ物を無駄にせずに使おうとする北国の知恵がつまった料理で、やさしい味が体を芯から温めてくれる。「いがめんち」はイカを叩いてミンチにして野菜と一緒に丸めて揚げるなどした料理で、食べ始めると食が進む。
情緒あふれる街並みに食と文化を楽しめる弘前市で、日本の四季の美を再発見してみてはいかがだろうか。
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