2017 No.21

ニッポンのPOP最前線!

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世界コスプレチャンピオンシップ2016 Report

コスプレは世界の共通言語
世界のパフォーマーが名古屋に集結

マンガ、アニメ、ゲームの楽しみは「読む」「見る」「プレイする」だけではない。登場人物やキャラクターに「なりきる」楽しみ=「コスプレ」も生み出した。そんな世界中のコスプレイヤーたちの祭典として2003年に名古屋で誕生したのが「世界コスプレサミット(通称:WCS)」だ。

取材・文:土田貴史 写真:© 2016 WCS、鈴木拓也

言葉の壁を感じない。世界の人と好きなキャラクターで盛り上がれるのは最高!

「舞台のうえで、観客をいかに魅了するか
そして原作の世界観を追求することが楽しい!」

延べ32万人以上が参加した2016年のWCSは、テーマパーク貸し切り大撮影会、知事・市長も参加したレッドカーペットイベント、一般コスプレイヤーが飛び入り参加したパレードなど、どの会場も大賑わい。世界中のコスプレイヤーがあふれるなか、今年も名古屋市民が温かくもてなした。



© 2016 WCS

© 2016 WCS

コスプレの枠を超えたレベルの高さにはびっくり

WCSのクライマックスは、各国・地域の予選を勝ち抜いたチャンピオンたちの"頂上決戦"、世界コスプレチャンピオンシップだ。単なるコスプレとは異なり、日本のマンガ、アニメ、ゲーム、特撮キャラクターになりきってふたりひと組、2分30秒の舞台を創作する。2016年は30の国や地域がエントリー。今年から舞台上の巨大スクリーンの使用が許可され、演出表現に拍車がかかっている。

チャンピオンシップは衣装の技術面、芸術面の審査とともに、ステージ上のパフォーマンスが原作のキャラクターを忠実に再現しているかを競う。

1位 インドネシア トリニティ・ブラッド

© 2016 WCS

幸せです!優勝の決め手は試行錯誤を繰り返したトリックだったと思います
2位 デンマーク エルハンブルグの天使

© 2016 WCS

全ての装飾は原作通り。ビーズ一つひとつを手縫いしました
3位 フランス ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル

© 2016 WCS

仲良しなふたりがステキなのでこのアニメが大好き!

2016年の優勝チームはライトノベル『トリニティ・ブラッド』を題材にしたインドネシア代表。作りこまれた衣装、完成度の高いアクションに、歓声が沸く。圧巻だったのは、胴体が切れるマジックトリックと宙に浮かぶエンディングだ。

「各国・地域の代表コスプレイヤーたちは、みんなフレンドリーで、イベントを通じて大きな家族のようになりました」と、インドネシア代表。コスプレは世界の共通言語であり、たとえ言葉が分からずとも、キャラクターを通じて共感できるのが最大のメリットである。コスプレを通じて世界から集まった仲間たちと友達になれたことが一番の収穫と、参加者たちは皆、笑顔でそう語った。