2016 No.18

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街歩きにっぽん街歩きにっぽん

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世界が認めた手漉き和紙の里
美濃

地図
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目の字通りに並ぶ伝統的な建物群。屋根の両端にうだつを持つ 左/かつて米屋を営んでいた家 右/界隈でも珍しい形のうだつ

古い町並みが残る「目の字通り」と呼ばれる中心街を歩いていると、独特な形をした屋根が見られることに気づくだろう。屋根の両端を一段高くした特徴的な建造物は、「うだつ」と呼ばれる。本来、火事の際に隣家からの火が燃え移らないようにする防火壁としてつくられたが、次第に和紙産業などで財をなした豪商たちの富の象徴として、競うように装飾性の高いものがつくられるようになった。うだつの意匠は、その家の財力やつくられた時代によって異なる。一つひとつ見比べてみるのも面白い。中でも、1773年頃に建てられた酒造場の起り屋根(中ほどが盛り上がった屋根)とうだつは、ひときわ目を引く。

目の字通り周辺には、古くからの町家を改装した茶店や飲食店、和紙製品の店などが並ぶ。町を散策しながらうだつのある美しい町並みを眺めて甘味を楽しんだり、美濃の地鶏やアユ、山菜などの自然の味わいを堪能。おみやげには、優しい風合いを生かしガラスにも貼れる装飾和紙やモビール、和紙糸を用いた靴下やタオルなど、和紙の奥深い魅力を感じられる品々が、豊富に揃っている。

少し足を延ばして長良川沿いを歩けば、真紅のつり橋や船場跡に残る石造りの灯台が往時をしのばせる。豊かな自然美と歴史が育んだ美しい町並みを持つ和紙の里へ、足を運んでみよう。

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1.紙漉き工程の一つ「ちりとり」作業。繊維についたゴミを丁寧に取り除く
2.繊維を絡ませるトロロアオイの根をふやかし、濾す
3.共同工房で紙漉きをする若手職人たち。左から保木美保さん、高橋まゆみさん、家田美奈子さん、杉本和香奈さん

この地方の物資輸送の拠点だった川湊灯台。今も灯がともる

窓に貼る装飾和紙。「カミノシゴト」では、美濃手漉き和紙の商品が豊富に揃う

和紙細工のおせち料理。手のひらに載る大きさ

砕いた香木などを和紙で包んだ文香。手紙に忍ばせる

地鶏やアユ、山菜など美濃の特産を使った料理(辰巳家)

美濃の地酒「百春」は、うだつを持つ小坂酒造場で造られている

鳥の形の和紙モビール(3点とも紙遊)

町並み散策の合間には、町家を改装したカフェで甘味を楽しめる(茶房とみや)

美濃エリア地図

板取川支流にある片知渓谷。四季折々の自然美が楽しめる

●交通案内
京駅からJR東海道新幹線で名古屋駅へ約1時間40分。特急で美濃太田駅へ約45分。長良川鉄道で美濃市駅まで約30分。

●問い合わせ
美濃市観光情報
http://www.mino-city.jp/( 日・英・中・韓)

美濃市観光協会
http://www.minokanko.com/( 日本語のみ)

(1)辰巳家
http://www.minokanko.com/guide/tatsumi.html(日本語のみ)

(2)茶房とみや
http://sabo-tomiya.jimdo.com/(日本語のみ)

(3)紙遊
http://www.shiyu.co.jp/(日本語のみ)

(4)小坂酒造場
http://www.kuramoto-kosaka.com/(日本語のみ)

(5)カミノシゴト
http://kaminoshigoto.net/(日本語のみ)

(6)美濃和紙の里会館
http://www.city.mino.gifu.jp/minogami/(日本語のみ)