2016 No.18

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街歩きにっぽん街歩きにっぽん

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世界が認めた手漉き和紙の里
美濃

地図
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写真● 宮村政徳、美濃市観光協会、美濃市役所 地図● 尾黒ケンジ

美濃の町並みを美しく照らすあかり。毎年10月中の2日間には、美濃和紙を使ったあかり作品を展示する「あかりアート展」が行われる。

赤が印象的な美濃橋は、国内に現存する最古の近代つり橋

ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「本美濃紙」は、本州中央部に位置する岐阜県の美濃地方でつくられる和紙である。清流・長良川の恵みを受けるこの地では、和紙が誕生した1300年前から手作業による紙漉きが続けられている。原料にコウゾのみを用いる本美濃紙は、美しい白さと、やわらかでありながら強さを兼ね備えているのが特徴だ。古くからの紙漉き工房が減少していく中、昔ながらの本美濃紙を絶やさぬよう共同の紙漉き工房がつくられており、次代を担う若手の職人たちが紙漉きの技を受け継いでいる。

紙漉きの里らしく和紙にちなんだ行事も多い。春に行われる美濃まつりでは、和紙を桜色に染めてつくられた紙花を神輿につけた「花みこし」が町を練り歩く。大小30基ほどの花みこしが揺れる様子は、まるで桜の花が乱舞しているかのような華やかな美しさだ。秋には、和紙をシェードに使った個性的なあかり作品が町を彩る「美濃和紙あかりアート展」が開催され、毎年多くの観光客が訪れる。和紙を通したあかりは夜の町並みをほのかに照らし、幻想的な光景が広がる。

夜は和紙を通したやわらかな光の美しさを、昼は紙の質感や作品の形を楽しめる

4月に行われる「美濃まつり」。手染めの紙の花を飾った花みこしが町を練り歩く