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2016 No.18
ニッポンみやげ
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折り畳める紙のあかり
提灯
撮影● 川上尚見 写真提供● Getty Images、PIXTA
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「提灯」は、和紙を貼った竹の骨組みの中にろうそくを入れてともす日本の伝統的な照明具で、使わない時は小さく折り畳み、携行もできる。
木枠に紙を貼った灯籠を応用し、現在とほぼ同形の提灯が考案されたのは、16世紀末頃。以後、さまざまな形やサイズの提灯に名前や家紋を書き入れて、手に提げたり、軒先に目印のように吊るしたりして使うようになった。神や祖霊を迎える儀式のための色鮮やかな提灯も加わり、日本の住まいの内外を多提灯折り畳める紙のあかり彩な提灯が飾るようになる。
照明が電灯に取って代わられて久しい現代でも、提灯は役割を終えていない。日本料理店や居酒屋の看板に、商店街や夏祭りの飾りにと、日本らしさや祝祭のイメージを付与する装飾として欠かせない。
おみやげとしても人気が高く、地名や浮世絵が描かれたポップな提灯は、観光地に必ずといっていいほど並ぶ定番だ。ろうそくはともさなくとも、日本情緒あふれるインテリアとして楽しむことができる。