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おうちの味あじ、卵焼たまごやきの味あじ

皆みなさんの国くにでは、朝あさごはんに何なにを食たべますか? パンやシリアルなどと一緒いっしょにスクランブルエッグやオムレツといった卵たまご料理りょうりを食たべる人ひとも多おおいのではないでしょうか。
日本にほんは世界せかいでも有数ゆうすうの卵たまご消費国しょうひこくで、徹底てっていした品質ひんしつ管理かんりによりスーパーなど、一般的いっぱんてきに売うられている卵たまごでも生なまの状態じょうたいで安全あんぜんに食たべることができます。
炊たき立たてごはんに生卵なまたまごを混まぜて醤油しょうゆを垂たらす「卵たまごかけごはん」や、だしと砂糖さとう、醤油しょうゆで作つくる甘あましょっぱいつゆにゆで卵たまごを漬つけ込こんだ「煮に卵たまご」や、殻付からつきのまま低温ていおんでじっくりゆでることで白身しろみも黄身きみもトロっと仕上しあげた「温泉おんせん卵たまご」は、他ほかの料理りょうりの付つけ合あわせとしても好このまれます。生なまや半熟はんじゅくで食たべる卵たまご料理りょうりがこれほど多おおいのも、日本にほんの卵たまごが安心あんしんだからこそといえます。

地底ちていから湧わき出です温泉おんせんの湯ゆにひたして作つくられることが多おおかったため、温泉おんせん卵たまごと呼よばれました。

日本人にほんじんが一生いっしょうで最もっとも多おおく食たべる卵たまご料理りょうりは卵焼たまごやき?

中なかでも、とき卵たまごを専用せんようの四角しかくいフライパンに流ながし、くるくると巻まくようにして焼やいた「卵焼たまごやき」は、日本人にほんじんが一生いっしょうのうちで最もっとも多おおく食たべる卵たまご料理りょうりの一ひとつで、卵焼たまごやきの専門店せんもんてんがあるくらい人気にんきの卵たまご料理りょうりです。
卵焼たまごやきは卵たまごと少すこしの調味料ちょうみりょうがあればできますが、工夫くふう次第しだいで様々さまざまなアレンジが可能かのうです。だしが利きいたふわふわの卵焼たまごやき、砂糖さとうたっぷりの甘あまい卵焼たまごやき、醤油しょうゆを入いれる、入いれない……皆みなそれぞれに自分じぶんの好すきな卵焼たまごやきがあります。♪お母かあさん なぁに? お母かあさんていいにおい お料理りょうりしていたにおいでしょ 卵焼たまごやきのにおいでしょ♪(「おかあさん」作曲さっきょく/中田なかだ喜直よしなお、作詞さくし/田中たなかナナ)と歌うたわれる童謡どうようもあるくらいで、卵焼たまごやきは家庭かていの味あじの象徴しょうちょうともいえます。

シンプルな卵焼たまごやきでも、ネギなど好すきな具ぐを入いれてアレンジもできます。

卵焼たまごやきは朝食ちょうしょくや夕食ゆうしょくのおかずとして食卓しょくたくにのぼるだけでなく、弁当べんとうにも大活躍だいかつやくするおかずです。野菜やさいを加くわえて彩いろどりを添そえたり、ハムやチーズ、海苔のりなどを巻まき込こむなど、そのバリエーションは無限むげん大だいです。

卵たまごの殻からを割わるときは、平たいらな部分ぶぶんに打うち付つけてヒビを入いれると、殻からが入はいりにくい。

「だし巻まき卵たまご」、「厚焼あつやき卵たまご」、どちらも卵焼たまごやき

18世紀せいき頃ころ、日本にほんでは卵たまご料理りょうりだけで103種類しゅるいものレシピを集あつめた料理本りょうりぼんが出版しゅっぱんされました。卵たまご一ひとつで幾通いくとおりもの料理りょうりが楽しめる、とても優すぐれた食材しょくざいとして庶民しょみんの間あいだで注目ちゅうもくを集あつめます。
卵液らんえきを巻まき込こみながら焼やく卵焼たまごやきは、卵焼たまごやき器きという専用せんようの長方形ちょうほうけいや正方形せいほうけいの小型こがたのフライパンを使つかいます。主おもな作つくり方かたは同おなじでも、卵焼たまごやきの味あじ付つけは、地域ちいきによって違ちがいが生うまれました。
京都きょうとや大阪おおさかを中心ちゅうしんとする近畿きんき地方ちほうでは、上品じょうひんな昆布こんぶだしをたっぷり使つかったふわふわの卵焼たまごやきが好このまれ、「だし巻まき卵たまご」と呼よばれています。卵たまごとだしの風味ふうみを邪魔じゃましないようごく薄うすい味あじつけで、大根だいこんおろしを添そえることもあります。一方いっぽう、東京とうきょうを中心ちゅうしんとする関東地方かんとうちほうでは砂糖さとうをたっぷり使つかった甘口あまくちの卵焼たまごやきが人気にんきで、「厚焼あつやき卵たまご」とも呼よばれます。なじみのない人ひとが食たべたら、お菓子かしのようだと思おもうかもしれません。

正方形せいほうけいの卵焼たまごやき器きは関東地方かんとうちほうで、長方形ちょうほうけいの卵焼たまごやき器きは関西地方かんさいちほうで使つかわれます。これは焼やき色いろの付つけ具ぐ合あいや、卵液らんえきの巻まき上げ方かたの違ちがいによるものです。

西にしと東ひがしで違ちがいが生うまれた、卵焼たまごやきの味あじ

この味あじの違ちがいはどこから来きたのでしょう?
卵焼たまごやきに限かぎらず、関西地方かんさいちほうではかつおだしに加くわえて、昆布こんぶだしが料理りょうりの要かなめです。昆布こんぶは北海道ほっかいどうの冷つめたい海うみで育そだちます。18世紀せいき頃ころ、「北前きたまえ船ぶね」と呼よばれる大型おおがた船せんが北海道ほっかいどうの海産物かいさんぶつを積つんで日本にほん海かいを渡わたり、各地かくちの港みなとで物々ぶつぶつ交換こうかんをしながら終点しゅうてんの大阪おおさかまで届とどけていました。その中なかの主しゅ要ような産物さんぶつの一ひとつが昆布こんぶだったのです。また、関西かんさい地方ちほうの水みずは、昆布こんぶだしを取とるのに適てきしたカルシウムやマグネシウムの少すくない軟水なんすいです。大阪おおさかや京都きょうとの水みずは昆布こんぶととても相性あいしょうが良よかったのですね。

昆布こんぶは、だしだけでなく、酢すを混まぜるごはん「すし飯めし」や、鍋なべ料理りょうりにも多おおく使つかわれます。おやつとして加工かこうされることもあります。

一方いっぽう、今いまの東京とうきょう、かつての江戸えどには、城しろや街まちを作つくるために全国ぜんこくから多おおくの職人しょくにんが集あつめられていました。彼かれらは力仕事ちからしごとをするため、濃こい味付あじつけのものを好このんだようです。だしも関西地方かんさいちほうとは違ちがいかつお節ぶしを使つかいます。かつお節ぶしからは昆布こんぶに比くらべて味あじも香かおりも濃こいだしが取とれるため、醤油しょうゆや砂糖さとうとよく合あうのです。

焼やいている途中とちゅう、少すこし形かたちが崩くずれてもあわてないで大丈夫だいじょうぶ。フライパンのふちにあてながら形かたちを整ととのえれば、きれいに仕上しあがります。

また、関西地方かんさいちほうでうどんが好このまれるのに対し、関東地方かんとうちほうでは昔むかしからそばをよく食たべる文化ぶんかがありました。そばは、かつお節ぶしなどのだしに砂糖さとうや醤油しょうゆを加くわえて作つくる甘辛あまからいつゆをつけて食たべます。お店みせではそのおいしいつゆを使つかって卵焼たまごやきを作つくるので、しっかりした味あじの卵焼たまごやきが出来上できあがるというわけです。

同おなじ料理りょうりでも違ちがう味あじ?

今いまや世界中せかいじゅうに知しられている醤油しょうゆも、実じつは関西地方かんさいちほうと関東地方かんとうちほうで違ちがいます。海外かいがいに多おおく出回でまわっているのは、主おもに関東かんとうで使つかわれる「濃口こいくち醤油しょうゆ」。色いろも味あじも濃厚のうこうです。一方いっぽう、関西地方かんさいちほうでは淡あわい色いろで風味ふうみも穏おだやかな「薄口うすくちしょうゆ」が使つかわれます。
だしも醤油しょうゆも違ちがうので、同おなじように作つくっても西にしと東ひがしではまるで違ちがう味あじになることも。日本にほんに旅行りょこうに来きたら、その違ちがいを感かんじてみてください。

家庭かていによって少すこしずつ味あじが違ちがうのも、卵焼たまごやきの魅力みりょくです。

卵焼たまごやきの作つくり方かた

◎材料ざいりょう(2~3人前にんまえ)

  • 卵たまご……4個こ
  • だし汁じる……大おおさじ4
  • 塩しお、砂糖さとう……各かくひとつまみ
  • 油あぶら……適量てきりょう

◎作つくり方かた ※卵焼たまごやき器きがない場合ばあいは、15~18cm程度ていどのフライパンで代用だいよう

1.卵たまごをとく

ボウルに卵たまご、塩しお、砂糖さとうを入いれ、泡あわが立たたないよう箸はしを立たてて静しずかに混まぜる。
白身しろみが切きれたらだし汁じるも加くわえて混まぜる。

2.少量しょうりょうずつ卵たまごを焼やく

卵焼たまごやき器きを熱ねっして油あぶらをなじませ、卵液らんえきの1/3を流ながし入いれる。
少すこし火ひが通とおって縁ふちが固かたまってきたら手前てまえによせる。
手前てまえの端はしまで卵たまごをまとめる。
卵たまごを手前てまえから奥おくによせ、空あいたところに油あぶらを塗ぬる。

3.続つづけて卵たまごを焼やく

残のこりの卵液らんえきの半分はんぶんを流ながし入いれる。火ひの通とおった卵たまごを持もち上あげ、下したにも卵液らんえきを流ながし込こむ。
少すこし待まって火ひが入はいったら、手前てまえに何度なんどか折おり畳たたみながらよせる。残のこりの卵液らんえきも同様どうように流ながし入いれて、折おり畳たたむ。

4.形かたちを整ととのえる

フライパンの端はしに卵たまごをよせて軽かるく押おさえつけて、形かたちを整ととのええる。

5.器うつわに盛もる

適度てきどな大おおきさに切きり、盛もり付つける。

料理りょうり監修かんしゅう/荻野おぎの恭子きょうこ