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ポルトガル生うまれ、日本にほん育そだち。世界せかいに誇ほこるてんぷら

日本にほんでは様々さまざまな揚あげ物ものが親したしまれています。日本式にほんしきフライドチキンと言いえる「唐揚からあげ」は弁当屋べんとうやさんやコンビニエンスストアの売うれ筋すじ商品しょうひんですし、トンカツやコロッケなどパン粉こをつけて揚あげるフライ料理りょうりには専門店せんもんてんもあります。家庭かていでもひんぱんに揚あげ物ものを作つくるので、油あぶらの温度おんど設定せっていができるガスコンロや揚あげ物もの用ようの調理ちょうり器具きぐも売うられています。

てんぷらは、そばやうどん、丼どんぶりでも大活躍だいかつやく

揚あげ物ものの中なかでも歴史れきしが古ふるく、すしと並ならぶ日本にほんの代表的だいひょうてきな料理りょうりとして知しられているのが「てんぷら」です。春はるなら山菜さんさい、秋あきにはきのこ、旬しゅんの野菜やさいやエビ、イカ、白身魚しろみざかななど、その時々ときどきで手てに入はいる食材しょくざいを、小麦粉こむぎこと水みずや卵たまごを合あわせた生地きじにさっとくぐらせて揚あげていきます。
味付あじつけは食たべる人ひとの好このみで塩しおをつけたり、だしと醤油しょうゆやみりんを合あわせた「てんつゆ」につけて食たべたり。家庭かていでは醤油しょうゆやウスターソースで食たべる人ひともいます。

てんぷらは、そばやうどんの相棒あいぼうでもあります。そば屋やさんやうどん屋やさんでは、てんぷらをセットにした「てんぷらそば」や「てんぷらうどん」が定番ていばんメニューであり、てんぷらをごはんにのせてタレをかけた「てん丼どん」も人気にんきがあります。

てんぷらをごはんにのせた「てん丼どん」。衣ころも全体ぜんたいにつゆやタレが染しみたてんぷらはまた格別かくべつのおいしさです。

てんぷらを揚あげる時ときにできた衣ころもの粒つぶも無駄むだにはしません。「てんかす」「揚あげ玉だま」と呼よばれてスーパーなどでも売うられていて、それをトッピングしたうどんやそばは「たぬきうどん」「たぬきそば」という名なで親したしまれています。油あぶらのコクやサクサクとした食感しょっかんを生いかして、料理りょうりの添そえ物ものや具材ぐざいとしても使つかわれます。

「てんかす」をトッピングしたたぬきそば。

簡単かんたんそうで奥おくが深ふかい、職人技しょくにんわざが光ひかる料理りょうり

特別とくべつな食材しょくざいを使つかうわけではなく、調理ちょうりの工程こうていもいたって単純たんじゅん。てんぷらって、簡単かんたんそうですよね?油あぶらはねに気きを付つければ、確たしかに誰だれでも作つくれます。家庭かてい向むけに開発かいはつされたてんぷら専用せんようのミックス粉こを使つかえばなおさらです。野菜やさいやきのこなど植物性しょくぶつせいの食材しょくざいを揚あげたてんぷらは「精進しょうじん揚あげ(菜食さいしょくてんぷら)」と呼よばれて、ご先祖様せんぞさまに祈いのりを捧ささげるお盆ぼんやお彼岸ひがんなど親族しんぞくが一堂いちどうに会かいする食卓しょくたくによくのぼります。

その一方いっぽうで、食材しょくざいの質しつや下処理したしょり、揚あげ方かたを工夫くふうすることで、てんぷらの仕上しあがりはよりおいしくなるのです。身近みぢかな惣菜そうざいでありながら、細部さいぶまで突つき詰つめれば高級こうきゅう料理りょうりの域いきに達たっする、日本にほん料理りょうりの中なかでもユニークな存在そんざいと言いえるかもしれません。
家庭かていでつくられるてんぷらや、スーパーなどで惣菜そうざいとして売うられているてんぷらは、衣ころもに存在感そんざいかんがあって、食材しょくざいと衣ころものどちらも主役しゅやくで一緒いっしょに楽たのしむイメージですが、高級こうきゅう料理りょうりとしてのてんぷらは、食材しょくざいの魅力みりょくを最大限さいだいげん引ひき出だすことに意識いしきが向むけられています。

食材しょくざいの魅力みりょくを引ひき出だすために、てんぷらの調理ちょうりで大切たいせつなのは衣ころもの濃度のうどと油あぶらの温度おんどです。薄うすい衣ころもで食材しょくざいを包つつみ、食材しょくざい自身じしんの水分すいぶんで蒸むすように加熱かねつします。食材しょくざいが最もっともおいしく感かんじられるタイミングで引ひき揚あげることが大切たいせつです。揚あげている時ときの音おとや泡あわの大おおきさの変化へんかから秒びょう単位たんいで揚あげ時間じかんを見極みきわめる職人しょくにん仕事しごと。衣ころもをつけて揚あげただけなのに、なぜこれほどおいしくなるのかと、食たべると驚おどろくかもしれません。

ファストフードから高級こうきゅう料理りょうりまで

てんぷらが日本にほんで食たべられるようになったのは、今いまから400~500年前ねんまえ。実じつは日本にほんで生うまれた料理りょうりではなく、ポルトガルから伝つたえられました。油あぶらの普及ふきゅうと共ともに庶民しょみんに広ひろまり、江戸えど時代じだい(1603~1867年ねん)には、江戸えど(現在げんざいの東京とうきょう)の港みなとで揚あがった新鮮しんせんな魚さかなを揚あげる立たち食ぐい屋台やたいが登場とうじょうし、ファストフードとして人気にんきになりました。やがて上質じょうしつな食材しょくざいを使つかい、揚あげ方かたに工夫くふうを凝こらした専門店せんもんてんが現あらわれると、てんぷらは高級こうきゅう料理りょうりとしての地位ちいも確立かくりつしていきます。そして時代じだいを経へて日本人にほんじんの暮くらしが豊ゆたかになる中なかで、再ふたたび日常にちじょうの食卓しょくたくに登場とうじょうするのです。
てんぷらも握にぎりずしも江戸えどの屋台やたいから広ひろがりました。江戸前えどまえの新鮮しんせんな魚介ぎょかいと、それをさらにおいしくしようとする職人しょくにん魂だましいが、カジュアルな料理りょうりを、世界せかいに誇ほこる日本にほん料理りょうりの代表だいひょうにまで押おし上あげたのです。

突つき詰つめたらキリがないてんぷらですが、どんな食材しょくざいでもおいしく作つくれるおおらかな料理りょうりでもあります。身近みぢかな野菜やさいや魚介類ぎょかいるいでぜひ試ためしてみてください。

衣ころもを薄うすく付つけてからりと揚あげれば、新鮮しんせんな食材しょくざいの持もち味あじもいかせます。
揚あげたては衣ころもがサクサク、中なかの食材しょくざいはジューシーで、とびきりおいしい。

てんぷらの作つくり方かた

◎材料ざいりょう

  • エビ……3本ぼん
  • かぼちゃ(*1)……適量てきりょう
    (*1)13㎜程度ていどの薄切うすぎりにする。他ほかにも水分すいぶんの少すくないじゃがいも、にんじんなどの野菜やさいでもよい。

<衣ころも>

  • 小麦粉こむぎこ……100g
  • 卵たまご……1個
  • 冷水れいすい……50g
  • 小麦粉こむぎこ(ふるって冷ひやしておく)……適量てきりょう
  • 揚あげ油あぶら(キャノーラ油ゆなど)……適量てきりょう

<てんつゆ(*2)>

  • かつおだし……50ml
  • みりん……10ml
  • 醤油しょうゆ……10ml
  • 大根だいこんおろし、生姜しょうがのすりおろし……適量てきりょう
    (*2)てんつゆではなく、塩しおを添そえてもよい

◎作つくり方かた

1.エビの下処理したしょりをする

頭あたまを取とり、尾おを残のこして、楊枝ようじなど先さきの尖とがったもので背せワタを抜ぬき取とる。
腹側はらがわからカラをむく。
揚あげている最中さいちゅうに油あぶらがはねないよう、尾おの先端せんたんを切きり落おとし、尾おの中なかの水分すいぶんを包丁ほうちょうでしごき出だす。
エビをまっすぐにするため、腹はらに斜ななめに数すうか所しょ切きり込こみを入いれて、手てで筋すじを反そり伸のばす。

2.衣ころもをつくる

ボウルに冷水れいすいと卵たまごを入いれ、ホイッパーで溶とき混まぜる。
冷ひやしておいた粉こなを少すこしずつ加くわえながら、静しずかにゆっくり混まぜる。粘ねばり気けが出でないよう、混まぜ過すぎない。
粉こなが少すこし残のこっている状態じょうたいで混まぜるのをやめる。

3.揚あげる

深ふかさのある厚手あつでの鍋なべに油あぶらを入いれ、170℃に温あたためる。水分すいぶんで湿しめらせた箸はしを入いれると箸先はしさきから小ちいさな気泡きほうが立たち上のぼるのが目安めやす。
かぼちゃに小麦粉こむぎこを薄うすくまぶしてから衣ころもにくぐらせ、油あぶらにそっと入いれる。
浮ういてきたら裏返うらがえし、計けい1~2分ふん揚あげる。途中とちゅう、浮うき上あがってくるてんかすは、油あぶらの汚よごれと油あぶらの温度おんどを低さげてしまうので、取とり除のぞく。
網あみの上うえにとりだし、油あぶらを切きる。
油あぶらの温度おんどを180℃に上あげて、エビに小麦粉こむぎこを薄うすくまぶしてから衣ころもにくぐらせ、油あぶらにそっと入いれる。180℃は菜箸さいばしを入いれると箸先はしさきから泡あわが勢いきおいよく上あがる状態じょうたいが目安めやす。
浮ういてきたら裏返うらがえし、てんかすを取とり除のぞきながら、計けい1~2分ふん揚あげる。
網あみの上うえにとって油あぶらを切きる。

4.盛もり付つける

皿さらに盛もる。
※てんつゆ、大根だいこんおろしと生姜しょうがのすりおろしを添そえる。または塩しおを添そえる。

料理りょうり監修かんしゅう/「てのしま」林はやし 亮平りょうへい