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2019 NO.26
街歩きにっぽん
文:石塚登喜衛
写真:公益社団法人 岡山県観光連盟、難波由城雄、夢二郷土美術館 本館、招き猫美術館
「晴れの国」という気持ちの良いキャッチフレーズを与えられたこの地は、桃から生まれた男児が鬼退治をする日本の有名な昔話、桃太郎の舞台であり、岡山城や日本三名園に数えられる後楽園などを擁し、歴史と伝統、豊かな自然が調和する城下町である。
岡山城は1615年に整えられ、江戸時代(17世紀~19世紀)を通じて藩主の居城となり、黒塗りの印象的な外観から烏城とも呼ばれる。最上階からは岡山市街を一望することもできる。
後楽園は1700年に造られた広大な大名庭園で、国の文化財の種類の1つである名称の中でも特に価値の高い特別名勝に指定されている。園内には藩主の居間や能舞台などの日本建築も残され、春の桜に始まり、夏の蓮、秋の紅葉、冬の椿などとともに四季折々、日本らしい風情が堪能できる。春~秋にかけては夜間も開園され、ライトアップされた庭園など、さまざまなイベントを楽しむこともできる。また、園内には日本を象徴する鳥、タンチョウ8羽が飼育されており、1月〜4月にかけて頭の赤、羽の白が鮮やかになるため、庭園の景観により一層の美しさを添える。