2019 NO.26

ニッポンみやげニッポンみやげ

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枯山水キット

文:石塚登喜衛 写真・協力:みどり屋 和草

枯山水とは、池や水を用いることなく、石や砂で山水の趣きを表現した日本の庭園様式であり、室町時代(14世紀後半~16世紀)に禅宗と呼ばれる仏教の一派の影響を受けながら育まれてきた。もしあなたが枯山水を見て心を動かされるものを感じたら、枯山水を自宅で気軽に楽しめるコンパクトなキットをお土産に買ってはどうだろうか。

石の構成や配置は大海に浮かぶ島々や山などを表しており、自分が感じたままを形にしていく。枯山水では水の表現も重要な役目を果たしており、砂の文様がそれにあたる。文様には、石の周囲にぐるりと円を描くものや曲線により川などの水の流れを表すものなど、さまざまな種類がある。

桐箱に砂地を敷き石を配置し、熊手で模様を描けば、禅寺を訪れた時の静寂と感動が蘇ってくる。描いた模様からは海や川の水を感じることができるだろう。日本のミニチュア文化ならではのコンパクトなスペースで、広大で奥深い精神世界に触れてみてほしい。