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2019 NO.26
街歩きにっぽん
岡山市には芸術からおもちゃまで数多くの美術館やミュージアムがある。叙情的な美人画で知られる同市出身の芸術家、竹久夢二の作品を展示する「夢二郷土美術館本館」は肉筆作品が多く所蔵されていることで有名。運が良ければ、美術館のお庭番として人気者の黒猫の「黑の助」があなたを迎えてくれるだろう。まるで夢二の絵から飛び出たような姿に心奪われることまちがいなしだ。
猫好きなら、「招き猫美術館」にも寄るべきだろう。この懐かしい日本家屋の美術館には、商売繁盛の縁起物として親しまれる招き猫が700体も展示されている。招き猫の種類も木や紙、石でつくられたものなど多種多様だ。帰りはミュージアムショップで自分好みの招き猫を購入して幸運のお守りにするのもいい。
移動は、猫の路面電車やバスに乗りたい。岡山駅と夢二郷土美術館や後楽園を結ぶバスには「黑の助」がラッピングされ、降車ボタンを押すと鳴く「にゃ〜」に思わず微笑んでしまうことだろう。
時間に余裕があれば、吉備高原を横断する吉備街道も訪れたい。桃太郎伝説ゆかりが点在している。例えば、7世紀後半ごろに築かれた標高500mの鬼ノ城。さわやかな高原を満喫できる。吉備津神社に寄れば、県の重要文化財に指定されている約400mの回廊が心を癒してくれることだろう。さらに備中松山城まで足を延ばせば完璧だ。一帯が雲海(朝霧)に包まれた時は幻想的な光景となる。
岡山市の見所を巡ったら、お土産には岡山の風土を感じる特産品を買いたくなる。初の国産ジーンズ誕生の地であり、丁寧な職人仕事から世界的な人気を持つ岡山デニムは、隣接する倉敷市の児島が有名だが、岡山市内でも購入できる。食べ物でいえば、岡山名物のきびだんごもいいし、特に果物王国岡山ならではの美味しい果物も外せない。岡山発祥のブランド「清水白桃」は極上の甘みを持ち、生産量は全国1位。瀬戸内の温暖な気候が上品な香りと爽やかな甘さを加えた果物の女王「マスカット・オブ・アレキサンドリア」や岡山で開発された「ピオーネ」(種なし)も生産量全国1位でおすすめ。郷土料理であるママカリという魚を使った寿司なども味わっておきたい一品だ。
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