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2015 No.17
ニッポンみやげ
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食卓を彩る
箸置き
写真● 栗林成城
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卓上で箸をのせる小さな道具「箸置き」は、和食の席には欠かせないアイテムだ。箸を清潔に保つだけでなく、もてなしの心を表したり、自然の風物をかたどったもので季節感を演出したりする重要な脇役として、存在感を発揮する。
その歴史は、平安時代(794~1192)の初期頃、神に捧げるお膳の中央に耳をかたどったような土器を置き、その上に箸をのせて用いたのが始まりとされるほど古い。使い方としては、箸の先端をのせるのではなく、先が3㎝ほど箸置きから出ている状態が、正解である。また、中国やベトナムでは箸を縦に置くのが一般的だが、日本では横向きにするのが正式なため、箸置きは左側に置かれる。
近年は、伝統工芸の技と意匠を生かした品が豊富に揃うので、おみやげとして選ぶ機会も増えている。四季の風物を凝縮した小さなオブジェが、食卓を明るく華やかに演出してくれるだろう。