2015 No.17

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街歩きにっぽん街歩きにっぽん

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豊かな自然と伝統文化に彩られた
伊勢志摩

地図
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宮大工が始めたといわれる伊勢一刀彫は、木材の木目を生かしながら一気に彫り上げる

内宮のそばには、古くから門前町として栄えるおはらい町があり、みやげ物屋や飲食店が立ち並ぶ。一番人気は、1707年創業の老舗和菓子屋のあんこ餅だ。また、1993年の式年遷宮の折には、伊勢の歴史や風習を継承するために、おはらい町の中に古い町並みを再現したおかげ横丁がつくられ、今では終日多くの人でにぎわっている。

おみやげには、お伊勢参りの伝統から生まれたものが豊富に揃う。
みやげ物として古くからつくられてきた伊勢玩具、小物を紐でつるす際に留め具として使う伊勢根付、柄や文様を染色する伊勢型紙を使った工芸品は、その代表例だ。なかでも、神宮ゆかりの動物や縁起物をかたどった伊勢一刀彫は、神宮の造営に奉仕する宮大工が神宮の端材を使ったのが始まりといわれ、直線的で荒削りな作風による素朴な温かみは、見る人を和ませる。

さらに、伊勢志摩の豊富な海の幸で、ぜひとも味わいたいのは、特産の伊勢エビだ。美しい真紅、長いヒゲが長寿を表すとしておめでたい席に欠かせない伊勢エビは、刺し身や姿焼きなど、さまざまな料理が楽しめる。またこの地は和牛の特産地でもある。牛肉を野菜と焼く網焼きは、肉の柔らかさと甘みを堪能できる。

豊かな自然に育まれ、美しい伝統工芸が受け継がれる地・伊勢志摩に、あなたも魅了されるだろう。

伊勢一刀彫の職人である岸川行輝さんはこの道36年。複数の彫刻刀を駆使し、20分ほどで高さ3㎝の一対の恵比寿大黒像(写真上)を完成

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伊勢の伝統工芸品は、おかげ横丁にある神路屋などで気軽に購入できる
1.鮮やかな色彩が特徴の伊勢玩具。みやげ物として、古くからつくられてきた
2.伊勢型紙を使って模様を染め抜いた手ぬぐい
3.筍や宝槌などをかたどった根付は、日本が誇る細密工芸のひとつ。伊勢では「木の宝石」とも呼ばれる、木質の堅いツゲを用いる

五十鈴川のせせらぎをかたどった餡を餅にのせた赤福餅は、伊勢みやげの定番だ。店内でお茶とともに味わえる

和牛肉を醬油ベースのタレにからめて炭火で焼き上げる「豚捨(ぶたすて)」の網焼き

「倭庵(やまとあん)黒石」では、甘みのある伊勢エビの造り、アワビ、フグなど伊勢志摩の海の幸を堪能できる

砂糖とショウガの搾り汁を煮詰め固めた生姜糖。六角形は、神宮のお札の形を模しているという

伊勢志摩エリア地図

●交通案内
東京駅からJR東海道新幹線で名古屋駅へ。JR線か近鉄線で伊勢市駅/宇治山田駅まで約90分。

●問い合わせ
伊勢神宮
http://www.isejingu.or.jp/foreign/index.html(日・英・中・韓)

伊勢伝統工芸保存協会
http://www.ise-dentoukougei.com/(日本語のみ)

おかげ横丁
http://www.okageyokocho.co.jp/(日本語のみ)

(1)倭庵黒石
http://kuroisi.com/(日本語のみ)

(2)豚捨
http://www.butasute.co.jp/restran/okage/index.html(日本語のみ)

(3)神路屋
http://www.okageyokocho.co.jp/tenpo.php?no=44(日本語のみ)

(4)赤福
http://www.akafuku.co.jp/global/english/(日・英)

(5)くみひも平井
http://www.dento.gr.jp/hirai/index2.html(日・英)