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2015 No.17
街歩きにっぽん
写真●宮村政徳、アフロ、株式会社赤福 地図制作●尾黒ケンジ
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伊勢志摩地方は、青く美しい海と大小の島々がもたらす景観と、悠久の歴史に育まれた伝統文化を有する
三重県東部、太平洋に面した伊勢志摩地方は、日本でも有数の観光地だ。岬と入り江が入り組んだ海岸線や、2016年のサミット開催地に選ばれた賢島を含む大小の島々が織りなす景勝が美しいこの地は、日本の神々の中で最も崇敬される天照大御神を祀る伊勢神宮のおひざ元でもある。
伊勢神宮は、太陽にたとえられる神・天照大御神を祀る内宮と、衣食住を司り産業の守護神である豊受大御神を祀る外宮から成る。古来、信仰を集め、一生に一度は訪れたい庶民の憧れの地とされ、今もその人気は衰えていない。
参拝は、まず外宮から行い、その後、6㎞ほど離れた内宮へと向かうのが古くからの習わしだ。内宮の玄関口にある宇治橋は、日常の世界から神聖な世界へと導くかけ橋といわれる。境内には樹齢500~1000年と推定される木々が多数あり、清涼ながら厳かな雰囲気が漂う。
伊勢神宮では、20年に一度、正宮をふくむ建物、神様に奉る御装束神宝などすべてを新しく造り替え、神様に新しい社殿にお遷りいただく「式年遷宮」と呼ばれる儀式があり、1300年続いている。20年に一度行うのは、優れた職人技術を伝承していくためでもあるといわれている。