2015 No.15

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水の国、ニッポン

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水とともに歩む町

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2. 暮らしに根ざした水の恵み 郡上八幡

日本列島のほぼ中央、岐阜県にある郡上市八幡町(通称「郡上八幡」)は、長良川、吉田川、小駄良川の三つの川が流れ、約107カ所から湧水が出る水の豊かな町だ。約400年前より、郡上八幡の人びとは豊富な水を利用し、町づくりを行ってきた。湧水を引き、個人・共同の井戸や用水を町中につくり、日々の生活用水として役立て、同時に万一の火事に備えて防火用水にもする。無駄なく水を使うことは、暮らしを豊かにすることにつながる。水と共存してきた知恵は、今も生き続けている。

湧水を引き込んだ水槽は、上段は喉の渇きを潤す飲料水として、下段は野菜を冷やしたり洗ったりするのに使う。水を無駄なく使うための工夫がされている

敷きつめた玉石の間を水路が走る小道。歩く人の心をいやす、目にも涼やかな散歩道だ

年々日本では見ることが少なくなっている、子どもたちが川で遊ぶ光景も、郡上八幡では夏の風物詩だ

町のあちこちで、水と親しむ姿が見られる(写真=名取和久)