2015 No.15

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水の国、ニッポン

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技術で水を活かす

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豊かな水に恵まれ、水と親しんで暮らしてきた
日本だからこそ生まれ、育った技術がある。

写真提供●TOTO株式会社、パナソニック株式会社、東芝ライフスタイル株式会社、福岡市水道局、ポリグルソーシャルビジネス株式会社、東京大学大学院橋本研究室、株式会社夢創造

日本の節水技術

日本は水に恵まれた境遇である一方、気象災害などによる水不足もたびたび経験している。そこで、節水習慣を反映した電気製品や町の取り組みを紹介したい。

空気と水で洗う
シャワー

従来の節水タイプのシャワーヘッドは水の粒を小さくしているため肌への当たりが強く、快適さが損なわれていた。TOTOの開発した製品は、シャワーヘッドから空気を含ませた水が放出され、水量を約35%以上減らしながら、気持ちよく洗える

世界一水の要らない
トイレ

少ない水でいかにきれいに流すかという技術が追求されているトイレ。汚物を中央に効率よく集める「トルネード洗浄」と、パイプに勢いよく流し込む「ゼット洗浄」の2種類の水流を組み合わせて洗浄を効率化し、機種によっては1回の洗浄で使う水量が3.8ℓまで抑えられ、世界一の節水トイレが実現している

TOTOのトイレシリーズ

水量を判断する
洗濯機

最近の洗濯機は節水が標準機能。東芝の最新式ドラム式洗濯機は、センサーで温度、洗濯物の量、布の材質を見きわめ、洗濯やすすぎに使う最適な水量を判断。また、脱水時、衣類の偏りを防ぐための余分な水を使わずに済むよう振動吸収クッションも搭載している

少ない水でしっかり洗う
食洗機

手作業よりも水を使う印象が強いかもしれないが、機械で節水できることもある。その代表例が食洗機。手で洗うと水を流しっ放しにすることが多く、6人分の食器で約84ℓもの水を使う。一方、食洗機なら少ない水を効率よく循環させて洗浄やすすぎをするため大幅に節水できる。パナソニックの最新機種なら、同量の食器をわずか11ℓの水で洗える

町を挙げて節水に取り組む
福岡市

水道PR展に集う福岡市民

1978年の異常渇水により287日間もの長期間の給水制限を経験した福岡市は、行政と市民が一体となった「節水型都市づくり」に取り組む。水管理センターでは水の使用量などを24時間体制で監視し、市内全域へ効率的な配水を行う。また、漏水防止調査や配水管の取り替えなど、計画的な漏水防止対策によって水の有効利用を図っている。さらに、市民ひとりが日に10ℓの水を節約すれば、1年間にダムひとつ分の水を節約できることから、市民の水を大切に使う心がけで「市民ダム」が築かれ、貴重な水資源となっている