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2019 NO.27
街歩きにっぽん
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて再開発が進む東京湾岸のお台場・豊洲。
今なお変わり続ける最先端の都市でありながら、古き良き東京の雰囲気を残す下町と隣接する、新旧の魅力が混ざり合う場所だ。
写真●逢坂 聡
日本漫画界の巨匠・松本零士(代表作:『銀河鉄道999』など)が手がけた水上バスの「ヒミコ」。お台場・豊洲と観光名所の浅草を結ぶ
東京湾岸に初めて埋立地が作られたのは16世紀末頃。それから約400年、埋立地は広がり続け、その上に新しい街が作られてきた。特に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では主要競技場や選手村が建つ一大拠点となる。変貌を遂げようと活発に動く街の空気も、今のお台場・豊洲が発する魅力のひとつだ。
そのお台場と豊洲へのアクセスは、趣ある水路がいい。東京の人気観光名所、浅草から水上バスに乗船して約1時間。水鳥の鳴き声や波の弾ける音とともに、水上バスは豊洲、そしてお台場へと至る。
19世紀半ば、東京湾岸に海上防衛を目的に作られた砲台が「台場」と呼ばれ、地名の由来となった。現在、砲台があった場所には美しい芝生が広がり、台場公園として開放されている。周囲に建物がないため空が広く感じられ、東京湾の水景を眺めてゆったりと過ごせる。
近年、お台場はエンターテインメントシティとして発展。大型商業施設や多種多様なレジャー施設が建ち並ぶ人気エリアとなっている。2020年7月には東京国際クルーズターミナルが開業し、世界最大級の豪華客船「クイーン・エリザベス」や「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」が入港する新たな海の玄関口が誕生する。そして東京2020で、お台場海浜公園がトライアスロンなどの競技会場として使われることも決まった。