2019 NO.27

オリンピックがやって来る!

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受け継がれるオリンピックの遺産

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オリンピックのデザイン

エンブレムに聖火リレートーチ、スポーツピクトグラム・・・・・・。
新旧の大会を彩るデザインに込められた、言語を超えたコミュニケーションへの希望とは。

[エンブレム]

大会の顔となるエンブレム。1964年の東京オリンピックでは、金の五輪の上に日本の国旗・日の丸を大胆に組み合わせ、スポーツに対峙する純粋で力強い情熱が表現された。一方、東京2020大会のエンブレムは、日本の伝統的デザインである藍色の市松(チェッカー)模様を原形としながらも、形の異なる3種の四角形をつなぐことで、違いを超え「多様性と調和」をめざす意志が描き出された。

公式ポスターになった1964年東京大会のエンブレム
AD=亀倉雄策 所蔵=新潟県立近代美術館・万代島美術館

東京2020大会のエンブレム
©Tokyo 2020

[トーチ]

東京2020大会で聖火リレーを彩るトーチは、桜がモチーフ。複雑な断面を継ぎ目なく作れることから新幹線製造にも使われるアルミ押出成形技術で5枚の花弁を形づくった。そこから昇る炎が中央でひとつになり、「希望の道」を照らす。素材の一部に東日本大震災の復興仮設住宅のアルミ廃材を再利用し、前進する被災地の姿を世界に伝える。2020年3月、オリンピック聖火リレートーチは桜の開花とともに点火され、121日間、全国を巡る。

©Tokyo 2020