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2017 No.20
街歩きにっぽん
九州の北端にある北九州市門司区。近代日本の歴史的建造物が数多く残り、古い駅舎が街のシンボルになっているエキゾチックな街だ。
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門司港駅舎 かつての九州の玄関口は美しい木造建築だ。2018年まで改修工事中(写真=PIXTA)
本州と九州を分かつ関門海峡に面する街、門司は、古くから交通、交易の要衝だった。1889年に門司港が開港されると、大陸貿易の拠点として、神戸、横浜と並ぶ日本の三大国際貿易港の一つとなり、大いに繁栄した。
門司は、1942年に本州との間に海底鉄道トンネルが開通するまで、九州の鉄道の玄関口でもあった。1914年に建築された旧・門司(現・門司港)駅舎は、ネオ・ルネッサンス様式と呼ばれる左右対称の外観デザインが特徴だ。駅舎内には、青銅製の手水鉢、大理石とタイル貼りの洗面所など、当時のモダンなデザインを物語る歴史的な資産が残され、1988年に駅舎としては初めて国の重要文化財に指定された。(門司港駅舎は、2012年9月〜2018年3月までの予定で、保存修復工事中。)
門司港駅の周辺には、外国貿易で栄えた時代の建造物を中心に、ホテル・商業施設などを当時の趣に整備した観光スポット「門司港レトロ」地区がある。このうち、門司港エリアにある九州鉄道記念館は、1891年に建築された赤レンガの本館が特徴で、新旧の鉄道車両が展示され、鉄道の歴史を楽しみながら学べる。さらに、かつて海運会社や商社、銀行、倉庫として使われた歴史的建造物が、博物館やギャラリー、レストランなどに生まれ変わり、港町を散策する人々を楽しませている。また、観光人力車や観光クルーズ船に乗って、案内を聞きながら、懐かしい雰囲気や雄大な風景を楽しむことができる。