2016 No.19

召し上がれ、日本召し上がれ、日本

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Japanese Refreshment
季節のおやつ

写真提供・協力:株式会社 虎屋

日本には季節ごとに楽しめる和菓子があります。
お店にならぶ和菓子で季節の移ろいを感じるといってもいいでしょう。

江戸時代(1603〜1867)に始まった、八つの刻(現在の午後2時〜4時くらい)に食べる間食の習慣が、現代の日本にも残る「おやつ」です。

江戸時代から今に至るまで、特に人気を極めてきたお菓子のひとつが「桜餅」。春になると、薄く焼いた小麦粉生地であんこを包み、塩漬けにした桜の葉で巻いたものを、その香りとともにいただきます。同じ桜餅でも西の方では生地がもち米になるのが東西食文化のおもしろさです。夏はなんと言ってもかき氷。冬、自然の寒さでゆっくり凍った天然氷をふわふわに削るとおいしいと評判です。さまざまな味のシロップがありますが、宇治金時(抹茶シロップとあんこの組み合わせ)は特におすすめです。

秋は栗。あんこ玉の表面を蜜煮にした栗で覆った栗鹿の子が人気です。冬は小豆を甘く煮た汁に餅を浮かべたお汁粉が恋しくなります。日本ではお正月に神様に餅を供え、1月11日にこの餅を使ってお汁粉にする風習があります。

季節を感じながら楽しめるおやつ。日常のひとときにも彩り豊かな四季の世界が広がります。

春:桜餅/夏:かき氷(宇治金時)/秋:栗鹿の子/冬:お汁粉