2016 No.19

街歩きにっぽん街歩きにっぽん

7

寒暖差が生む鮮やかな四季
札幌

地図

日本の北端に位置する北海道の札幌。冬は雪を楽しみに、夏は避暑地として多くの観光客が訪れる。札幌の季節の移り変わりを目で、肌で、舌で体験してみよう。

1 2

札幌市時計台 130年以上、札幌の歴史を見守ってきた、札幌の街のシンボル。(写真=PIXTA)

日本は4つの大きな島と、小さな6,000以上もの島からなり、北海道は本州に次ぐ2番目に大きい島だ。冬にはパウダースノーを目当てに、多くの人が国内外からウィンタースポーツを楽しみにやってくる。

梅雨のないカラッとした夏の北海道は過ごしやすい。その中心地である札幌は、日本で4番目に人口の多い都市である。手の届くところに自然がありながら、都会の便利さや楽しさも備えている。発達した地下鉄、市電、バス網を利用すれば、山の上から紅葉を眺めたり、緑の大平原で初夏の青空を満喫したり、街を歩いて雪の感触を楽しんだり、日本の他の地では味わえないスケールの大きさで、春夏秋冬の到来を体験できるのが札幌だ。

札幌の春は短いが華やかにはじまる。長い冬から目覚めると、札幌中心街の東西に走る大通公園には花があふれ、北海道庁旧本庁舎はチューリップに彩られる。

6月のYOSAKOIソーラン祭りがやってくると、札幌は一気に夏のおまつりムード一色になる。夏にぜひ訪れてほしいのが、市街を一望できる幌見峠のラベンダー畑。ラベンダーの紫色の絨毯と札幌の街の眺めはここでしか見ることができない。世界的彫刻家イサム・ノグチの遺作として有名なモエレ沼公園も夏にはイベントが目白押しだ。

そして秋。札幌で一番のロマンティックな風景が見られるのは北海道大学のイチョウ並木だろう。大通公園西端にある札幌市資料館の裏庭も隠れた紅葉の見どころである。

左上:北海道庁旧本庁舎 「赤れんが」の愛称で道民に親しまれる国の重要文化財。
左下:北海道大学(イチョウ) 札幌駅から徒歩10分ほどの北海道大学の構内にある、イチョウ並木。(写真=PIXTA)
右上:幌見峠ラベンダー畑 札幌市西部の円山公園からほど近い幌見峠はラベンダーの花の甘い香りに包まれる。
右下:ウィンタースポーツ 札幌には数十分で本格的なウィンタースポーツを楽しめるアクセスのよいスキー場がいくつもある。(写真=サッポロテイネ)