2018 NO.24

祭りと生きる

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多くの願いを込めた日本の祭り

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自然とともに生きる

海、山、川などの自然が豊かな日本では、魚介や農作物などの自然の恵みを受けてきた。自然に宿る神様への感謝と畏敬の念を示すための祭りが行われる。

那覇ハーリー(沖縄県)

漁業が盛んな地域では「海上安全」や「豊漁」を願い、水に関連する祭りが行われてきた。土地の神様に祈りを捧げ、龍を模した漁船、「ハーリー船」に乗ってその速さを競う

那智の扇祭り(和歌山県)

山の神様が1年に一度赤色の扇形の神輿(写真上部)にのって神聖な滝に里帰りする。松明を燃やして神様がのる神輿と参道を清める

先祖と土地への敬意を伝える

賑やかな祭りだけでなく、厳かな気持ちで過ごす祭りもある。先祖への感謝、そして先祖が大切にしてきた風習を受け継ぐ。

庭月観音灯籠流し(山形県)

7〜8月中旬に先祖の霊をあの世へと送る行事が各地で行われる。火を焚いて先祖の魂を送るため灯籠を川へ流す。東北地方の山形県では、灯籠の数が東日本最大規模におよぶ灯籠流しが毎年行われる

かまくら祭り(秋田県)

約400年前から豪雪地帯で親しまれている高さ約2mの雪室、「かまくら」。もともとは水の神様を祀る祠が起源で、現在も水の神様を迎えるため、祭壇を設ける。大人の膝ほどのかまくらを並べた祭りも行われる