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2018 NO.24
祭りと生きる
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多くの願いを込めた日本の祭り
写真提供●アマナイメージズ、ピクスタ
人と人とのつながりを深める
四季がある日本では季節ごとに祭りを行うことで地域の連帯感を高めてきた。祭りは人びとの心のよりどころであり、エネルギーの源である。
天神祭(大阪府)
蒸し暑い夏に蔓延する疫病を祓うため約1000年前から行われる。神様をのせた神輿を町の人が担いで市内を巡って幸せをもたらす
よさこい祭り(高知県)
町の活性化と市民の健康を願い、1954年に地元企業らが集まって踊りを披露したことに始まった。約2万人の踊り手が多種多様な音楽や趣向を凝らした衣装を纏って舞う
職人らの匠の技が光る
日本人の美意識は、祭りの神輿や山車の細工や飾り、衣装などにも宿る。華麗な装飾を施し、神様を迎え、丁寧にもてなす。職人たちによる伝統的な技法は神様への感謝の意である。
葵祭(京都府)
右/長く凶作に苦しんでいた6世紀に世の平安と五穀豊穣を願う祭りとして始まった。当時の貴族の装束や化粧、髪型を再現した行列が行われる
左/かつての貴族が移動のため牛に曳かせた乗り物も登場。伝統が受け継がれてきたからこその華麗な光景
祇園祭(京都府)
高さ約25mの山車を曳いて天災などをもたらす神様を鎮める。9世紀に外国から輸入した装飾品や地元の職人らによる美術工芸品で装飾された山車は観客の目を惹き付ける