にっぽん地図めぐり
心の鉄道風景をたずねて
四季の自然に溶け込んで日本人の原風景の一部になった鉄道路線があります。
中井精也さんが選んだ全国の「絵になる鉄道路線」をご紹介します。
【北海道】釧網本線(標茶町)
北海道東部を走る釧網本線のハイライトは、日本最大の湿原、釧路湿原を横断するシーン。雄大な自然が目の前に広がります。運が良ければ、車窓からタンチョウを見ることができます。
【秋田県】五能線(八峰町)
沿線のほとんどが日本海のすぐ近くを走る路線です。車窓から見る、海に沈む夕陽や冬の荒波は迫力満点。津軽平野のリンゴ畑の中を走るのも楽しみの一つです。
【千葉県】小湊鐵道(市原市)
東京から約1時間の距離とは思えない、レトロな雰囲気が魅力の路線。秋に色づく上総久保駅の大イチョウは、思わず息をのむ美しさです。
【富山県】黒部峡谷トロッコ電車(黒部市)
ワイルドなオープン客車で、黒部峡谷の断崖絶壁を走る観光路線。一番のオススメは秋。清廉な空気と鮮やかな紅葉を、車窓から堪能できます。
【静岡県】大井川鐵道(川根本町)
SLの運行本数が日本一。茶畑のなかをのんびりと走ります。大自然の中を走る蒸気機関車はタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。
【兵庫県】姫新線(佐用町)
兵庫県の姫路から中国地方の山間に向かうローカル線。沿線には山や川、田畑など、のどかな景色が広がります。真夏に佐用町で見られるひまわり畑は圧巻です。
【鳥取県】若桜鉄道(八頭町)
鳥取県東部を走るローカル鉄道。国の登録有形文化財の一つである長さ128mの橋を滝下から見上げると、まるで水の上を列車が走っているようです。
【島根県】一畑電車(出雲市)
色鮮やかに連なる鳥居の奥に電車が走る風景は、どこか神話の舞台のようです。また、沿線には「縁結びの神様」として有名な出雲大社があります。
【愛媛県】予讃線(西予市)
瀬戸内海と宇和海に沿う路線。伊予石城付近では収穫後の田んぼに稲を干す昔ながらの「わらぐろ」が残っています。
【鹿児島県】指宿枕崎線(指宿市)
九州最南端の鉄道路線、指宿枕崎線。富士山に似た完璧な山容から「薩摩富士」と呼ばれる開聞岳や、噴煙を上げる桜島など、雄大な風景が望めます。