2014 No.12

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お菓子の国ニッポン

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コンビニはお菓子の天国

もはや日本人の生活になくてはならない存在となっているコンビニエンス・ストア(コンビニ)。
コンビニで大きな面積を占めているのがお菓子売り場だ。
コンビニは今や、日本人にとって「お菓子の天国」となっている。
コンビニで売られるお菓子の、進化し続ける魅力にせまった。

撮影●名取和久  協力●ミニストップ(株)、(株)ローソン

定番商品から新商品まで
豊富にそろう

年中無休で24時間営業、商店の少ない住宅地にもあって、今や日本人の生活に欠かせないコンビニ。さまざまなところでお菓子が手に入る日本だが、コンビニでは特にたくさんのお菓子を目にすることができる。平均的な広さの店では、店の棚全体の半分ほどをお菓子が占めている。

コンビニのお菓子は、定番商品、限定商品、そして新商品に分けられる。定番商品とは、ポテトチップスやチョコレートなど、誰もが知っているロングセラー商品で、中には、何世代にもわたって親しまれ続けているものもある。一方、限定商品とは、期間や地域を限定して販売されるもの。季節感や、地域の特産品の風味を生かした商品が多い。

コンビニで新商品が生き残るのは大変だ。コンビニの商品は、売り上げがすぐに注文に反映されるしくみになっているので、商品の移り変わりが激しい。売られているお菓子のうち、定番商品は2割弱ほど。とあるチェーンでは、平均して毎週、20〜30種類のお菓子が入れ替わるという。

日本の生活に欠かせないコンビニエンス・ストア。ポテトチップスなど定番商品から本格的なケーキまでお菓子の種類も豊富にそろう

専門店の味を手軽に!

そしてコンビニのお菓子の中でも、特に近年、人気を集めているのが、「コンビニスイーツ」と呼ばれる冷蔵のデザート。専門店にせまる品質の高さと、手頃な値段が魅力だ。

「コンビニスイーツ」が注目されるようになったのは、2009年頃から。価格をやや高めにし、高級感のあるデザートを売り出したのが始まりだ。その結果、「安いけれど味も値段相応」から、「手頃な値段だがおいしい」へと、コンビニのお菓子のイメージを変えることに成功した。

話題性や新しい味の発見をねらい、料理研究家やパティシエとの共同開発を盛んに行うチェーンも多い。

このような「コンビニスイーツ」人気の背景には、コンビニの客層の広がりがある。24時間営業で、弁当をはじめ調理済みの商品が多いコンビニの主な客層は男性だった。しかし、今や日本人の誰もがコンビニを利用する時代となった。女性客や年配客の要望に応えるため、従来は質より量を重視したコンビニのお菓子が主流だったが、量は少なくても味のよさを追求した「コンビニスイーツ」が増えたのだ。カロリーを気にする女性を意識して、和菓子の人気も高まっている。しかし、「コンビニスイーツ」ももちろん商品の入れ替わりが激しく、シュークリームなどの定番商品以外は1カ月から4カ月ほどで変わるという。

毎週、何十ものお菓子の新商品が棚に並ぶコンビニは、現代日本のお菓子の見本市のようである。コンビニにもまた、日本人のお菓子への情熱が色濃く反映されているのだ。

整然と並んだキャンディやチョコレート。目線の高さには新製品や人気商品、下段には子どものためのオマケ付きの菓子や駄菓子を置くなど棚の配置にも法則がある

昨今人気が高まっている「コンビニスイーツ」。味は本格的だ

「コンビニスイーツ」ブームの火付け役「プレミアムロールケーキ」(ローソン)

ふわふわの生地で餡をはさんだ「あんこやどら焼」(ローソン)

冷たい団子を餡とからめた「クリーム玉ぜんざい~栗~」(ミニストップ)

豪華な「レアチーズケーキパフェ」(ミニストップ)

餅を餡で包んだ「あんこやおはぎ」(ローソン)


※商品によっては販売が終了しているものもあります