2013 No.10

これが、ジャパン・クオリティ

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暮らしを支えるジャパン・クオリティ

現代人の生活には、環境、健康、防犯面への配慮が欠かせない。
家の中でも外でも、安心して毎日の暮らしを送るためのジャパン・クオリティが活躍している。

写真提供● (株)ジオパワーシステム、TOTO(株)、本田技研工業(株)、セコム(株)
イラスト● 尾黒ケンジ


GEOパワーシステム

地中熱を使って換気する GEOパワーシステム

この換気システムを導入すると、冷暖房費やCO2排出量が抑えられ、家全体の温度ムラが軽減される。さらに、花粉やホコリ、排気ガスの室内への侵入も抑えられるため、アレルギー疾患を持つ人も安心だ


ジオパイプを地中に埋めているところ

ジオパイプを地中に埋めているところ。パイプの長さは5~7m

CO2の排出量を抑え、冷暖房機器に頼らない暮らしを実現する新しい換気システムが登場した。地中熱を活用した「GEOパワーシステム」である。井戸水が夏冷たく、冬温かく感じられることからもわかるように、地中の温度は一年中安定している。そこで、家を建てる際にあらかじめ地下に専用パイプを埋設し、そのパイプに外気を通すことで、床下から夏は冷気、冬は暖気が出て家中を循環し、暑さ寒さを和らげるというしくみだ。専用パイプを経由した空気は、温度ばかりか湿度も調節され、外気に含まれる花粉やホコリなど、アレルギーの原因となる物質も軽減されるという。

住まいを快適にするツール

家の中で使う設備や道具にも、暮らしを快適にする製品がいくつかある。たとえば、ハイテクを駆使したトイレ。温水洗浄便座は、寒い冬でもヒーターで温められた便座に座わって用を足せ、使用後はボタンひとつでノズルが出てきて、噴射する湯でお尻を洗浄してくれる。最先端の便器は、この他にも節水性、掃除のしやすさなど、多彩な機能を満載。いつも清潔で安心なトイレは、一度使うとやみつきになるここちよさだ。

また、「UNI-CUB」という一人乗りの移動機器が開発され、現在、実証実験が進められている。二足歩行ロボットASIMOにも使われているバランス制御技術と、複数の小さな車輪を数珠つなぎにしてひとつの大きな車輪をつくるという独自のホイールシステムにより、身体を傾けて体重を移動させるだけで、前後左右斜めなど、あらゆる方向に自由に移動できる。将来は歩行が困難な人にとっても、室内はもちろん、家からまちへと移動する楽しさを広げるツールになりそうだ。

ネオレスト

究極のハイテクトイレ TOTO

少ない水でもしっかり洗浄する独自の渦巻き水流式を採用。 蓋の開閉や洗浄を自動で行い、水道水を電気分解し、除菌力を持たせた水で、便器の見えない汚れまで掃除する機能も備えた「ネオレスト ハイブリッドシリーズ」

UNI-CUB

次世代モビリティー ホンダ

前後左右斜め自由自在に移動できる「UNI-CUB」。
ハウスメーカーと共同で、住宅内でストレスなく使えるかどうかなどの検証も重ねている

21世紀のお守りをめざす

さらに、家の中だけでなく、外出時の安心につながる便利なツールも登場している。

「21世紀のお守り」を合言葉に開発された「ココセコム」がその一例。小型の専用端末を携帯している人や車、ペットなどが今どこにいるかを、GPS衛星と携帯電話基地局情報利用し、高精度で検索するサービスだ。帰りが遅い子どもや高齢者の居所がわかるだけでなく、要請があれば、サービス提供元の緊急対処員が現場に駆けつけることもできる。

高齢化の加速にともない、今後ますます頼もしいお守りになってゆくに違いない。

ココセコム

持ち歩ける安心 セコム

「ココセコム」を携帯している子どもや高齢者の居所を家族がパソコンや携帯電話で確認できる。
携帯する本人からも、ボタンひとつでセコムに通報可能だ

ココセコム

(株)昭文社・Mapple