柔道の競技方法
日本には過去のオリンピックでも採用されていた講道館柔道試合審(しん)判規定がありますが、この記事では、現在オリンピック等の国際大会で採用されている国際柔道連盟試合審判規定(2021年3月現在)を基に解説しています。
試合場と審判員
試合場内は8メートル(約26フィート)四方以上、10メートル(約33フィート)四方以内(図の内側のライン)で、審判員は主審1人と副審2人。このほか試合場外に得点表示係、時計係、記録係、審判委員がいます。試合時間は4分間。たがいに組み合って、相手を投げる「投げ技」68本、相手の動きを取れなくする「固め技」32本を使い分けて勝敗を競います。
技のポイント「一本(いっぽん)」と「技あり(わざあり)」
技のポイントで最も上位が「一本(いっぽん)」で、投げ技(なげわざ)では相手の背中を完全に畳につけた場合。固め技(かためわざ)では相手が「参った(まいった)」と言うか、体や畳を2度以上タップした場合で、その瞬(しゅん)間に試合が終わります。さらに「一本」には至らなくてもすぐれた攻(こう)勢をしかけたプレイヤーには、「技あり(わざあり)」があたえられ、「技あり」2つで「合わせて一本」とします。
抑え込み(おさえこみ)は技に入ってから20秒か、相手の「参った」の合図で「一本」、10秒で「技あり」があたえられます。
反則と延長戦
ポイントは技のほかに相手の反則で得られます。組み合わなかったり、故意に場外に出たり、戦意が足りない場合に適用され、禁止されている技を使った場合は、「反則負け」となります。軽い反則には「指導(しどう)」があたえられ、「指導」3つで「反則負け」となります。ポイントで並んだ場合は、ゴールデンスコア方式の延長戦が行われます。延長戦では、「技あり」か「一本」、または「反則負け」によってのみ試合が終わります。
礼法(れいほう)
柔道の魅(み)力の1つに礼法があります。これは相手を敬う気持ちを体現したものです。立礼は腰の部分を約30度曲げ、上体を前方にたおします。選手は試合前・後に正面を向いたとき、試合前・後に開始線で相手に向いたときに礼をします。試合場の入・退場時に礼をする選手もいます。