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2018 NO.23
よそおう日本
日本の化粧いまむかし
19世紀後半
5 文明開化により、上流階級の社交場ではドレス姿で踊った
20世紀前半
1868年、明治時代の幕開けとともに、西洋文明を急速に取り入れ近代化を目指した「文明開化」が行われ、化粧も大きく変わることになります。伝統的な眉剃りやお歯黒は廃止され、自分の顔に似合った眉化粧や自然な白い歯が美しいとされるようになったのです。
20世紀前半から後半にかけては、経済の発達とともに、働く女性が増加していきます。彼女たちは動きやすいよう、洋装にショートカットをしていました。のちに「モダンガール」(モガ)と呼ばれるようになり、時代をリードしていきます。「棒口紅」と呼ばれるリップスティックが作られるようになるなど、手軽にできる化粧品も人気を呼びます。
そして、戦後から現代。1980年代後半から1990年代初めの好況期には、ヴィヴィッドな青みピンクの口紅が、2011年の東日本大震災後には、癒しを与えるようなふんわりとした色使いや雰囲気をつくる「ゆるふわメイク」が流行るなど、時代の様相に合わせ、ファッションやメイクも変わります。一方で、個性の時代となり、「自分らしく」よそおうことが重視されるようにもなっています。
村田孝子(むらた・たかこ)
1950年東京都生まれ。青山学院大学文学部教育学部卒。ポーラ文化研究所シニア研究員。主に日本と西洋の化粧史・結髪史を調査している。主な著書に『浮世絵にみる江戸美人のよそおい』(ポーラ文化研究所)、『江戸三〇〇年の女性美化粧と髪型』(青幻舎)がある。