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生け花・盛花

盛花の特ちょう

盛花は平たい器と、花材を刺(さ)す針がついた剣山(けんざん)を使って生ける技法です。平面的な広がりをもって生け、花を盛り合わせることによって自然のたたずまいや花の美しさを表現します。

花/啓翁桜(けいおうざくら) アイリス 鳴子百合(小原流)
春の季節美、色彩美を表現した盛花です。啓翁桜の素直にのびる枝の姿を活かして生けています。

自由な生け方を楽しむ

瓶花は古くから用いられていた技法で、かなり細かな決まりが多いのに対し、盛花は明治時代(1868年〜1912年)になって生まれ、花材に西洋の草花も用いて自由に生けることができ、日本建築の床の間だけでなく、洋間や玄関などにも飾られるようになりました。

各流派には基本的な「型」が定められており、型を構成する主要な枝の長さや角度が目安として規定されています。ここでは、盛花の一例として、小原流の盛花直立型の花型図と生け方を紹介します。

花/蓮(はす) 野いばら かるかや(小原流)
蓮を用いて夏の池のほとりの情景を表現しています。

盛花も主枝、副枝、客枝の長さや傾斜角度によっていくつかの種類があり、盛花の典型である直立型は安定の良い、落ちつきのある荘重な感じを表す花型です。主枝は器の直径と深さを足した長さ、副枝は主枝の3分の2、客枝は主枝の2分の1となっています。

主枝は垂直に生け、副枝は45度に傾斜させ左前方に30度振ります。客枝は60度の傾斜、右前方に45度振ります。上から見て、主枝と副枝と客枝が直角三角形になるようにし、この三角形の中に花材を盛るように生けます。

(Subjectが主枝、 Objectが客枝、Secodaryが副枝を指します)